Eighter -Bizarre Investigate-
27ther 〜標的は家無き中年(〜
#0
同情するなら金をくれ!……それはとある家なき子の有名な台詞……そして、今回はそんな(?)家なき中年の
身に降りかかった悪夢を綴った事件簿である。
#1
東京都、某公園
警官「……巡令(警部……被害者は……夢蝕新斗(38歳で……昨夜公園で寝ていた所を襲撃されたとのことで……」
巡令樹留(「……はぁ……公園で……?」
それはある日の出来事……
警官「……はい、こう言っては何ですが、『ホームレス』と……」
こっそりと耳打ちするのかと思いきや大きな声で堂々と宣言する警官
夢蝕新斗(「なっ!失礼な!!誰が『ホモでレズ』だ!」
一同「誰もンなこと言っとらんわ!!」
そもそもホモでレズだというのならば性別不明だ!と1人熱く語る無能警官がいるが、それは無視。
新斗(「大体なぁ……俺ぁ公園に引きこもっているだけじゃい!」
一同「どんな引きこもりだぁ!!!」
それは引きこもりではない!と一同盛大に突っ込む。
警官「……巡令(警部、どうやらあちこちで似たような事件が発生しているみたいですが……」
そして、1人の警官が事件に関して呟く
樹留(「……えっとホー……ゴホン……路上で生活をしている連中に……カツアゲ?」
警官「はい。そのようです」
樹留(「……やれやれ、オカしな事件も起こるもんだ……」
東京都、警視庁
樹留(「あ〜〜、では最近頻発しているホームレス襲撃事件だが……」
翌日、このみみっちい事件に対し、警察もみみっちい捜査本部を立て、捜査に乗り出すのだが……
警官「……被害総額は……3万5043円……」
一同「……」
警官「いずれも夜遅く、犯行が行われており、暗がりなので犯人の顔やら特徴もハッキリしません」
樹留(「……まさかとは思うが狂言なんてことはないだろうな?」
この事件に乗じて、公園で寝食を共にする仲間がお金欲しさに立ちあがった……なんてこともあり得るな……と
考える巡令(警部
警官「……う〜〜ん、た、確かに……」
警官「……おそらく何割かは狂言も含まれているかもしれませんが……目撃証言も出ていますし……とりあえず本
当のことでもありそうです」
樹留(「……となると、被害総額はもっと少ない……か……」
警官「ってかそんな金額をカツアゲなんて……みみっちい犯人ですねぇ……」
上(総介「フン、金額がどうあれ、盗みは盗みだ!」
と、そこへ突如現れたるは総介!
#2
一同「かかかか……上(警部ぅう!!?」
総介の登場に一行は学習せずに驚き慌てふためく
総介「……さて、お前ら……たまには役に立ってもらうぞ……」
警官一同「はい!?」
総介の発言に一同唖然……
総介「行くぞ、山咲(」
山咲(桜「はい、警部」
と、言うわけで一行は例の被害のあった公園へと赴く
東京都、某公園
総介「……とりあえず、ここで今日はお前らのうち誰かが寝てもらう」
警官一同「んな!!?」
突然の宣言に一同は再び唖然
総介「ぱっぱと選出しろ……じゃんけんでもなんでもいい、何なら俺が選んで」
警官「ちょ、待ってください!我々が責任を持って選び出しますから!」
総介に指名されるなど御免である……と、言うわけで1人の警官がすかさず叫ぶ。
警官一同「おう!お前、任せたわ!」
ドッヒュ〜〜〜ン
そして、そんな1人を置いて脱兎の如く逃げる一同
警官「うぉい!マテコラ!!」
総介「……お前が残ったんだ……お前がやるんだ」
警官「んな……警部、知っているでしょ!?俺が冷え性だってこと!」
総介「知るかッ!」
冷え性などと……誰が知っていると言うのか……
と、言うわけで抗議も虚しく、この警官はその夜、公園で一夜を過ごす羽目に……
ホ〜〜ゥ、ホ〜〜ゥ……
警官(う〜〜〜、何で本来エリートコース真っ只中……今に警視総監を引き摺り下ろし俺がトップの座に君臨すべ
き……ってな感じの俺様がホームレスまがいなことをしなきゃならのだ……)
※どんな野望だ!?
ガサガサッ
警官「ぬ!?」
*「金出せぇこらああ!!!」
そんなことを考えていると、カツアゲ登場!!
警官「出たな!ホームレスカツアゲ犯!キサマの犯行も今日でお終いよ!大人しく縛につけや!!!」
ドガギンッ
と、警官がひとしきり叫んでいる隙に逃げ出そうとしていた犯人を総介が見事撃破
*「ごへああ!?」
総介「喋っているヒマがあったらとっとと逮捕しろってんだ!」
警官「……」
翌日……
東京都、警視庁
警官「ああ!?何ぃ!!?」
*「……だ、だから……そのぉ……カツアゲしようと思ったんだけど……近頃の中学生や高校生は何かと物騒だし
……かといってオヤジ狩りは……同属殺しみたいでイヤだし……となると……残るのはホームレスくらいしかいな
くて……」
一同「バカヤロウ!!!!」
……と、言うことでこのしょ〜〜もない事件は幕を閉じたのであった……
本当にみみっちい事件であった……
END
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