Eighter -Bizarre Investigate-
20ther 〜親を殺す宣伝楽曲(プロモーション) B〜



#3
 福島県、白虎隊で有名な会津若松にて起きた殺人事件……何でも少年は母親を殺したとして母親の頭部を署に持
ち込み自主したのだが……母親殺害の凶器は発見されず……
 総介は1人(いや、2人か……)真犯人(?)の元へ赴く。
 福島県、会津若松・某所
(かみ)総介「……ここか……」
 総介が訪れたのは……とある民家……
*「あの……ウチに何か御用ですか?」
 唐突に現れた2人組を怪訝に思いつつ、家の家主である男性が聞きだす
山咲(やまざき)桜「和安(わやす)一人さんですね……?警察のものですが……和安(わやす)恵さんに話があって来ました」
和安(わやす)一人「……はい!?」
 警察が……一体何の用件で!?……と突然のことに困惑する一人
総介「話を伺えますか?」
一人「……妹は……ここにはいない……」
 しかし、今、そこには恵はいなかった……
総介「……そうか……やはり……か……」
一人「……やはりってどういうことですか!?」
 総介は1人納得する……それは、やはり、真理の断片が見せる真実故にか……?
総介「……」
一人「一体、何があったと言うのですか!?」
 と、黙りこむ総介にきつくつめよる一人
総介「……彼女は……殺人事件の重要参考人だ……」
一人「……バカな……あの恵が……」
 トンでもな事実に驚きを隠せない一人……
一人「そりゃ、よく喧嘩で竹刀を持ち出された日には何箇所か斬りつけられましたけど、あの恵に限って人を殺す
なんて……」
 そのまま、ありえない!!と叫んで否定する
総介、桜「……」
 兄のトンでもな発言に唖然とする総介、桜……
(むし)ろ竹刀で切り裂かれる方がありえない話だと思うのだが……妹……一体どんな剣の使い手なんだ!?
一人「大体、どんな動機があって……」
 逆に質問してみる一人……に対して、総介は答えてみる
桜「……殺された差高(さたけ)智代氏は早くに夫を亡くし、息子にその面影を見出し、溺愛していました」
一人「はぁ……それが……何か!?」
総介「盲目的な愛というのは時に残酷なものだ……」
一人「……まさか……その母親は……息子を誰の手にも触れさせたくなかった……と!?」
 つまり、事件の真相としては……恋仲にあった博と恵だが、母親が息子を溺愛するあまり、恵を敵視し……口汚
く罵られ……それでもなるべく我慢して付き合ってきた2人だったが……ついに、ある日怒りが爆発したというこ
となのだろう……

#4
一人「なるほど、キれた妹程怖いものはありませんからねぇ……俺も何度鎖帷子を購入したか……」
 しみじみと語る一人……
※何度も鎖帷子を斬り刻まれたのですか!?アナタ……ってか、この人、日常的に妹に斬りつけられていたからそ
 れが普通だと思い込んでいるのでしょうか……ああ、ここにも恵の犠牲者が1人……
総介(凶器は竹刀か……なるほど……打ち下ろした剣閃にて斬りつける……と言ったところか……)
 ガタリッ……
一人「何だ!?」
 と、そこへ……武者修行から帰って来た……と言わんばかりの恵の姿が……
和安(わやす)恵「……そっか、もう、ここまで来たんだ……」
 総介と桜を見て、全てを悟った彼女は……そのまま竹刀を構える
 ビシッ
一人「恵……」
総介「あの母親も母親だが、殺人は立派な犯罪だ……罪を犯した者は裁かれなければならん……」
恵「……知ってるよ……そんなことは……でも、本当に酷いのはあの女よ……人のことを売女だの、黴菌だの、梅
毒だの、売春婦だの、バイオレンスだの、バイセクシャルだの……本当によくも『バイ』から始まる言葉をそんな
に羅列できるものだと感心したものよ……」
※『バイセクシャル』だけ何か違う気が……
一人「恵……」
恵「……でも、あの女を討ち取ったことに後悔はしないわ……私は……彼に自由を与えたのだから……」
 誇らしげに語る彼女だが……その表情は今にも泣きそうである……
総介「本当にそう思っているのか!?」
 総介の言葉が……恵の心を穿つ……
恵「ぐっ…………私は……私は間違ったことをしてはいないッ!!私は……私はぁあああ!!!」
 ドッ
 半ば半狂乱のまま総介に飛びかかる恵……一気に間合いを詰め、竹刀による上段からの一閃が総介を捉える……
かに思えた
恵「いああああ!!」
総介「ふん」
 バシュウウッ
恵「!!?」
 ……だが、しかし、そんなことは起こらず、蒼王の刃(ブルーロード)によって竹刀は斬り飛ばされる……
総介「……話は……署で聞く……」
 ビッ
 蒼王の刃を突き付け、総介が語る……
恵「……私……は……」
 ガクリッ
 獲物を失い、その場に(くずお)れる恵であった……

 かくて、愛ゆえに人を貶め、また、愛ゆえに人を殺した……そんな愛ゆえに人は苦しまねばならぬ、悲しまねば
ならぬ……ならば、愛など要らぬぅ!な事件(どこがだ!?)は幕を閉じた……


END

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