Eighter -Bizarre Investigate-
3rder 〜最弱と最強の激突 A〜



#0
 トランプでは最弱の手札は最強の手札に勝利する……
 そして、それは、現実世界でも通用する!?
 ……これは、とある最強の漢と……最弱の漢とが雌雄を決するという事件簿である。

#1
 日本某所、S級犯罪者収容所、ラビリンス
 ドゴアアアッ
看守「何だ!?どうした!?」
警備員「独房A-13で脱獄が発生しました!」
 状況を知らせる警備員
警備員「な……何いぃ!?A-13だと!?……馬鹿な!?」
 その独房には……誰が……いるのか……
警備員「は……はい……」
警備員「……あの漢がか!?……千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)……マズイ……マズイぞ……」
千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)「ハハハハハハ……ハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハッハ!!」
 蛇虎(じゃこ)の声がラビリンス内に響き渡る……
警備員「直ちに警備を……」
警備員「いま、ヤツはどこを逃げている!」
警備員「わ……分かりません……」
警備員「ぬ……ぬう……」
 その日、千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)はラビリンスの警備員の網を掻い潜り、ラビリンスを脱獄……そのまま天四斗(あまよと)へと潜伏する
ことに……
 後日……
 富山県、富山県警
警官「ええ、ですから、S級犯罪者、千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)天四斗(あまよと)に潜伏した模様ですので……」
警官「脱獄犯か……」
志摩椅埴亜(いじえ)「待て、名前はなんと言った!?」
警官「はい……?千里眼(ちりめ)……千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)……とか言ってましたが……それが……?」
警官「ちりめんじゃこ!?弱っちい名前だなぁ……そんなヤツ、すぐにでも逮捕、送検してみせますって」
椅埴亜(いじえ)千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)だと!?」
 一同が名前から貧弱な漢を想像しているなか、ただ1人、ストライプの志摩は表情を険しくする。
一同「警部!?」
椅埴亜(いじえ)「マズイな……」
警官「どうしたんですか!?志摩警部……何か問題でも!?」
椅埴亜(いじえ)「相手は、あの……サトリの千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)だぞ!」
 ストライプの志摩はかく語る……相手がとんでもない奴である……と
警官「……サトリ!?……」
警官「……あの芸能人の佐藤エリリさん!?」
一同「それはサトエリだ!」

椅埴亜(いじえ)「つまりだな、人の心が読める……そういうヤツが相手なんだよ……こいつは、マズイぞ……」
一同「な、何ぃい〜〜〜!?」
 そして、驚愕の真実に、一同は唖然騒然茫然とするのであった……

#2
椅埴亜(いじえ)「……ヤツが逮捕されたのは3年前……我ら警官隊全てが束になってかかってもサトリの能力の前では無意
味だった……」
警官「そ……それで!?」
 じゃあ、一体どうやって奴を逮捕したんだ!?と一同が固唾をのんで見守っていると……
椅埴亜(いじえ)「そんなとき、たまたま偶然通りかかった運の女神様の手によって……逮捕、送検することが出来たのだよ
……」
警官「運の女神様……が!?」
 そうか!我々には……いや、天四斗(あまよと)には運の女神がいる!と一同は大はしゃぎ……
 しかし……
椅埴亜(いじえ)「だがなぁ、当時、サトリと運の女神様との力はほぼ互角……文字通り辛うじて逮捕する事が出来た……そ
して、ヤツは永久監獄、ラビリンスへと収容されたのだが……」
警官「脱獄した……と言うわけですか……」
椅埴亜(いじえ)「ああ、そうだ……」
警官「でしたら、今回もまた運の女神様を使うべきです!」
椅埴亜(いじえ)「馬鹿言え!前回はほぼ互角だったんだぞ……」
警官「……しかし、その3年の間に運の女神様の運だってパワーアップしているはずです」
警官「ですが、同じようにサトリもパワーアップしていると聞きますよ……3年前、サトリが感知できる心は自分
を中心に半径8mでしたが、現在は20mまでカバーできます」
一同「……」

 その頃……
 天四斗(あまよと)、某暗黒街
蛇虎(じゃこ)「はっはっはっは!!俺は……戻ってきた!!」
 千里眼蛇虎(ちりめ・じゃこ)天四斗(あまよと)の暗黒街に降り立っていた……
*「いよぉ、どうだ?久しぶりの娑婆はよぉ?」
*「俺はアンタの帰りを待っていたんだ……」
 熱烈な歓迎をする犯罪者……
蛇虎(じゃこ)「そうか……」
 ドゴアッ
*「ごへえ!?な……何をいきなり!?」
 弾き飛ばす
蛇虎(じゃこ)「俺ぁな……人の心が見えるんだよ……貴様の考えなんぞお見通しだ!」
*「ぬ……ぬううう……」
 バッ
 ナイフを手に襲い掛かる
蛇虎(じゃこ)「あまいっ!」
 ゴギャアッ
 首の骨をへし折る
*「ほげあ!?」
蛇虎(じゃこ)「はっはっはっは!!テメェら、生命が惜しかったらヘタなこと言うんじゃねぇぞ……いや、思うだけで死に
至るがな……」
一同「ヒイイッ……」
 サトリの帰還に一同……おびえる……

 で、話は警察署に戻り
 富山県警
警官「たった今入った情報によりますと、サトリは現在、天四斗(あまよと)某所にある暗黒街に潜伏しているとのことです」
椅埴亜(いじえ)「……はぁ……行かなきゃいけないか……」
警官「しかし、我々だけで何とかなるんでしょうか!?」
椅埴亜(いじえ)「心を空っぽに……するしかない……」
警官「そんな、ルパンじゃあるまいし……無理ですよ!!」
椅埴亜(いじえ)「無理でも無駄でも無謀でもとにかく、やるしかないだろうが!!」
警官「……」
 ……サトリを逮捕する事は……出来るのか!?


続

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