Eighter -Bizarre Investigate-
1ster 〜究極の完全犯罪! A〜



#0
 完全犯罪……それは犯罪者たちの夢。
 そして、これは完全犯罪に心血を注いだ一人の犯罪者にまつわる事件簿である。

#1
 天四斗(あまよと)、株式会社・新地平線
 ジジジッバチバチバチバチッ
 数々の機械が火花を散らし、メーターが揺れ動き、それを観測しているパソコン機器でもグラフが揺れ動く
*「おし!テストは成功だ!……これで……これで……あの忌々しいヤツを葬り去れる……フフフ……ハハッハ…
…」
 ひとしきり笑った後に、漢はその場を後にするのであった。

 ……それから三日後……
*「おう、野輪……カラオケいかね?」
野輪信二「何だ?穂積……どうした?イキナリ!?」
 突如、穂積にカラオケに誘われる野輪
穂積啓志「いや、実は、割引チケットがあることを忘れていてな……期限が今日までなんだよ……」
 と、チケットを見せる穂積
信二「ふ〜〜ん……銅鑼虎(どらこ)、お前もどうだ?」
銅鑼虎(どらこ)総「ああ。いいね、俺も行く〜〜〜」
 近くにいた銅鑼虎(どらこ)にも話を振り、3人はカラオケボックスへと足を運ぶ
 天四斗(あまよと)某所、カラオケハウス・えんぷてぃおけ
 ででで〜んででん♪ででで〜〜んででん♪
総「Any〜〜bo〜dy never〜〜〜 ca〜〜n't stop me〜〜♪震えだ〜〜したRed e〜ner〜〜gy〜〜♪潜〜〜〜んで
〜〜る本〜能〜〜生〜〜き〜〜る〜〜証に〜〜〜魅せられ〜〜〜♪」
 でけでけでんでんでれんででででん♪でけでけでんでんでれんででででん♪
 でけでけでんでんでれんででででん♪でれんででんででん♪
 軽快にDEEP REDを熱唱する総
信二「おうっし!次俺……I Believe行くぜ……」
 ぱぱっとリモコンで曲を選択し、歌いだす信二
 るる〜る〜る〜〜る、るるる〜る〜〜るる〜〜る、る、る〜〜るる〜♪
 るる〜る〜る〜〜る、るるる〜る〜〜るる〜〜でけでんでんでん♪
信二「……誰もいない〜〜放課後の教〜〜室か〜〜ら聞〜〜こ〜〜えていた〜〜〜静寂に隠〜〜〜れ〜〜〜て〜〜
〜る〜〜〜♪」
 ザッ
 と、その時、穂積が立ち上がる
総「おい、どこいくんだ?」
啓志「うん?トイレ、トイレ」
総「あ、そう……」
 と、言うわけで啓志はトイレに向かう……

#2
 一方、その頃……
 天四斗(あまよと)、丸根家
*「キ……キサマ……こんなことをして……バレずに済むと思っているのか!?」
 包丁を持った犯人が、家主、丸根號斗に近付いていく
*「ええ、バレバレですよ……ですが、絶対に逮捕されないんですよ……」
 だが、そんなことは気にも留めない犯人
丸根號斗「何をバカなことを!?」
*「……フフフ……俺が行うのは完全犯罪……誰も、俺を捌くことは敵わず……」
 ぐおっ
*「ひっ!?」
 そして、一気に間合いに入った犯人はそのまま包丁を振り下ろし
 ズドッ
 一撃で號斗の息の根を止める犯人
*「フ……フフ……」
 タタッ
 そして、犯人はその場を後にする

 と、まぁ、そんな殺人事件が間に挟まって……話は戻ってカラオケ舘
啓志「ふぃ〜〜〜」
 トイレから帰って来た啓志
信二「おいおい、次は、お前の番だぞ……」
啓志「うっと、すまん」
信二「ホラ、マイクだ……」
啓志「さんきゅ」
 と、言うわけで、信二からマイクを受け取り、歌いだす啓志
 じゃじゃんじゃ〜〜んじゃ〜ん、じゃじゃんじゃ〜〜んじゃ〜ん♪
 じゃじゃんじゃ〜〜んじゃ〜ん、じゃかじゃかじゃかじゃか♪
啓志「背〜〜〜中〜〜〜からドス〜〜〜を突きつけて〜〜〜♪抱きしめた〜〜〜い一足一刀の間合いが邪魔だね
 どっか逝っちゃいそうなのさ〜〜〜♪」
※1/2の改造バージョン……危なすぎる歌詞になっています。
 ファンファンファンファンファンッ
 と、その時、パトカーのサイレンが聞こえる
総「お?何だ何だ!?パトカーか!?」
信二「事件かな?結構近かったけど……」
 とか何とか言っていると……
 ドカドカドカッバムッ!
警官「穂積啓志……はどこだ!?」
啓志「へ!?俺っすけど……」
警官「貴様か……俺は富山県警の志摩椅埴亜(いじえ)である」
 警察手帳を片手に漢は語る
総「……志摩椅埴亜(いじえ)!?……」
信二「どこかで聞いたことがあったような……」
警官「ストライプの志摩と言えば分かるだろう……」
一同「ああ!」
 ストライプの志摩と言えば縞々模様の好きな警官として有名である。彼は有能なのかどうかは別として妻帯者な
のだが、奥さんの下着はもちろん……いや、今はそんなことはどうでもいい。
警官「丸根號斗殺害の容疑者としてちょっと来てもらおうか……」
信二「な……何いぃ!?」
啓志「おいおい、俺が人殺しだぁ!?」
総「……どういうことなんです!?」
志摩椅埴亜(いじえ)「今から10分前……丸根家において主人の號斗氏が殺された……」
総「10分前ってぇと丁度お前がトイレに行った時間じゃねえか!?」
信二「啓志……お前……」
啓志「待ってくれよ……俺に犯行は不可能だぜ……」
椅埴亜(いじえ)「何だと!?」
啓志「だってそうだろ、ここから丸根氏の家まで車で急いでも20分なんだぜ……」
警官「……確かに……」
椅埴亜(いじえ)「しかし、現場に残された凶器からはアンタの指紋が出ているんだ……」
啓志「だったら、どうやってこの場所から丸根家まで行って殺して帰ってくるんですか!?しかも制限時間は10分
で……」
警官「ぬぐ……」
啓志「つまりぃ、俺には犯行は不可能だ!!」
 勝ち誇ったかのような啓志……彼は無罪なのか!?


続

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