朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第25幕 〜折られ、砕かれ〜



旅に出たひかると切子、途中切子がふらっとどこかへ行った際、ひかるに神鉄の刺客が現れ……死合ったのだが……
ひかる神魔光叢牙しんまこうそうがが折られてしまう。ひかる最期のとき……間一髪切子が間に合い、刺客は退けられたのだが……
天四斗あまよと近くの山林
大典光おおのり・ひかる「……」
安童あんどう切子「……間に合って……良かった……」
ひかる「……切子……お前……ケガ……」
切子「平気。大丈夫」
ひかる「いや、大丈夫ってお前……」
切子「……そんなことより、アレ……」
ひかる「……」
刃折られればこの先死合うことなど出来やしない。いや、出来るが……不利であることは間違いない。
烏丸「おやおや……」
ひかる「烏丸!てめぇ!!」
折れた刀で烏丸に対峙するひかる
烏丸「そんな刀では万に一つの勝機もないよ?」
ひかる「切子……烏丸に逢っていた……のか!?」
切子の方を見るが……
切子「……」
終始無言な切子……まぁ、沈黙は肯定と言いますし……
烏丸「……ふふ、ここで僕と死合ってもどうしようもない……分かる?」
ひかる「だったら……とっとと消えろ!」
烏丸「つれないなぁ……折角取っておきの情報を持ってきたというのに……」
ひかる「……情報?」
烏丸「そ。情報。きっと気に入ってくれると思うよ」
ひかる「……どうだか……」
烏丸「はぁ……まぁ、いいや、とりあえず情報だけ伝えるよ……この山中の近くに世界で唯一神鉄を扱える
 鍛冶屋が居るんだよ」
ひかる「……は!?」
烏丸「まぁ、信じる、信じないは別だけどね……この先、その折れた刃じゃあ戦えないでしょ?……」
ひかる「……」
烏丸「じゃ、そういうことで……これはその鍛冶屋への地図だよ……受け取ってくれたまえ……」
ヒュイ〜〜〜ン
ひかる「ちょ……ま……」
1枚の地図を残し、烏丸は去っていった……
ひかる「……相変わらず……自分勝手なヤツだ……」
カサッ
地面に落ちた地図を拾う
ひかる(神鉄を扱える鍛冶屋だと!?……そんな人間……本当にいるのかよ……)
切子「……分かった……」
ひかる「へ!?」
切子「……道は覚えた……」
ひかる「……おいおい……行くってのか?……この……鍛冶屋に?」
切子「……」
ひかる「……分かった……行くよ……」
・
・・
・・・
ってなわけで、地図にあった鍛冶屋を目指すことに……道中、刺客が現れなかったのは幸いだったというべき
か……それとも……
ひかる「……まさ……いり……商店……!?」
2人が着いたその場所は……山の山頂にぽつんとある商店……
ひかる「……なんでこんな山頂に店が!?……ってか鍛冶屋じゃねぇし!!」
ゴンゴン
そんなことを言っている隣で切子がしまったシャッターを叩く
ひかる「おいおい、切子……こんなに誰も居ないって……しかも、鍛冶屋じゃねぇし……」
*「はいはい、少しお待ちください」
ガラガラガラガラガラ……
シャッターが開き、中からサングラスをかけた黒尽くめの漢がやってくる
*「はいはい、正入まさいり商店へようこそ、私、当店の店長兼企画担当兼営業兼主夫兼鍛冶屋、正入まさいり五郎と申します」
※どんな役職だ!
ひかる「……」
正入まさいり五郎「さて、今日はどういったご用件でしょうか?」
すっ……
切子「これ……」
折れた神鉄の刀を渡し、切子が言う
五郎「……ふむ……ふむふむ……神魔光叢牙しんまこうそうが……ですか……真っ二つに折られるとは……うむ……
 見たところ純神鉄の気がしますが……ふむふむ……」
ひかる「なっ……何ぃ!?」
五郎「所持者は……あなたですか?」
切子「こちら……」
と、ひかるを指す切子
五郎「……ふむ……ふむ……なるほど……まぁ……結論から言いますと直せますよ……」
ひかる「え!?」
五郎「最初に言ったじゃないですか、私は店長兼企画担当兼営業兼経理兼主夫兼鍛冶屋」
切子「……1つ増えてる……」
※細かッ
五郎「ですが、1つ条件があります」
ひかる「え、条件?……お金とか……じゃなくて?」
五郎「はい」
切子「……それは……」
五郎「何、簡単です。この折れた刀を使ってウチの娘から一本取るってなことです。時間は無制限。それだけ」
ひかる「え……ちょ……自分の娘を危険に晒して……何を……」
五郎「道流みちる出てきなさい……」
ひかる「お、おい、アンタ……」
正入道流まさいり・みちる「……はい……」
スタッ
天井から出てくる道流みちるさん
ひかる(……どこに居たんだコイツ!?)
五郎「さ、遠慮なくやっちゃってください」
ひかる「いや……あの……」
切子「……頑張って……」
ひかる「だから……」
五郎「大丈夫です。気を抜くと死ぬのはあなたですから……」
ゴアッ、バギャアアアッ
ひかる「ぬあああ!!?」
道流みちるのパンチがひかるを掠め後ろにあった岩が砕ける
ひかる(……死ぬって……コレ……)
……さてさて……ひかるは無事に道流みちるに勝つことが出来るのか……


続

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