つくがく de SS
課外活動の8・演劇本編



高度に繁栄した世界がここに・・・この世界ではあまりの栄華に人々は退屈し・・・その退屈を晴らすべく、
神を殺して遊ぶ・・・などということを覚えました・・・
ちなみに、その世界には・・・最強の破壊力を誇る・・・破壊神が1人・・・争いを避け、ヒッソリと暮らして
いるという噂があり・・・神を幾多も殺してきたある男は・・・その破壊神を殺そうと・・・探し求めていたの
であった・・・
※ナレーターはうら美でございま〜す。
レイン「我に勝負を挑むとは愚か也・・・人の子よ・・・今まで多くの同胞はらからを・・・ほふって来たその報い・・・
 今こそ受けるがいい!!」
ゴウッ
手刀が男に迫る・・・も男は刀を構えてそれを受ける
ガキンッ
レイン「な・・・にぃ!?」
中倉新八「神の力など・・・所詮この程度に過ぎん・・・おうりゃああ!!」
ズバシュッ
レイン「・・・ぐ・・・が!?」
そのまま切り捨てる男
新八「・・・満たされん・・・わしを楽しませてくれる神・・・もはや伝説の・・・破壊神しかおらぬのか」
・・・その後も男は数多の神をほふりつつ・・・最強の破壊神の情報を入手・・・
数日後・・・とうとうその破壊神の元へたどり着くことに成功する・・・
セナ「あなたは・・・?」
新八「ここに最強の破壊神がいることは周知のこと・・・隠しても無駄なのだ。」
セナ「・・・ここにはそんな存在などおりませぬ。お引き取りください。」
新八「とぼけても無駄なのだ・・・これまで・・・随分と骨を折った・・・しかし、そのおかげでここにくだんの
 破壊神がいることは知れておる。」
セナ「ですが・・・」
氷菓子茜薙ひがね・せな「・・・良い。」
付き人が否定をしようとした矢先、奥より声が響く
茜薙せな「隠しても無駄ならば・・・致し方あるまい・・・」
そして、破壊神登場・・・
新八「お主が・・・」
最強の破壊神・・・なるほど、噂に聞いていたが・・・右腕は厳重に封印がなされている・・・あの封印の下
・・・最強の力が隠されているのは見てわかる・・・
茜薙せな「・・・一つ聞く・・・お前は何のために、我に挑む・・・」
新八「普通の神じゃ満たされん・・・故に・・・最強と呼ばれたお主に挑みに来た・・・」
茜薙せな「そのようなくだらないことで生命を落とすなどと・・・馬鹿げたことよ・・・帰るがいい人の子よ・・・」
新八「そいつぁ出来ねぇ・・・とっととその封印を解除して・・・挑んでもらおうか!」
すっと封印された腕を掲げる破壊神
茜薙せな「・・・これは封印ではない・・・治療だ・・・」
新八「は!?・・・治療・・・?そう申したか?」
氷菓子茜薙せな「ああ、そうだ・・・」
フルフル・・・と震える男
新八「フ・・・ハハハハ・・・なるほど、治療か・・・そうか・・・そういうことなのか・・・最強の破壊神
 ・・・語るに落ちたな・・・まさか、負傷して逃げ隠れていたとは・・・」
セナ「・・・何も分かっていない・・・愚かな人の子・・・」
茜薙せな「・・・問う。どうあっても・・・我に挑むか?!」
新八「くどいッ!!そちが来ぬなら・・・こちらから行くまで・・・どおりゃああ!!」
一足飛びにかかる男。それに付き人が反応する・・・も、破壊神に止められる
セナ「主様・・・」
茜薙せな「・・・良い・・・ここまで来たら・・・最早・・・その身で知る以外道は無い・・・」
しゅるるる・・・
治療のための厳重な封を解く破壊神
茜薙せな「折角七割回復したのに・・・」
新八「どぉおお〜〜〜りゃああ!!」
迫る兇刃・・・それをものともしない破壊神・・・そのまま刃目がけて拳を放つ
茜薙せな「最強の破壊神・・・その御力みちからをしかと見るがいい」
ドガアアアッ
バキャアアアッ
激突・・・と、その瞬間・・・男の刀が砕け散る
新八「な・・・なあ!!?」
ブシュウウウッ
同じく・・・破壊神の腕も血が噴き出し・・・そのままだらんと垂れさがる・・・
新八「・・・痛み分け・・・か・・・なるほど・・・これが・・・最強の破壊神か・・・だが、次はこうは
 いかないのだ!」
茜薙せな「・・・お前に次など無い・・・勝負は既に決した・・・我は・・・最初に言ったはずだぞ・・・これは
 ・・・治療だと・・・」
新八「何・・・ガハアアッ」
突如立ちくらみ・・・そして、全身を襲う激痛・・・そのままその場にひざまずく男
新八「な・・・何なのだ!?・・・これ・・・は!?」
両腕が・・・みるみる赤黒く、青黒く・・・尋常じゃない内出血であることに気付き震えが止まらない・・・
それだけではなく・・・視界がぼやけだし・・・更に異常な熱が全身を襲ってくる・・・
新八「ご・・・ごぷっ!?」
セナ「人の子・・・お前は治療中の意味を取り違えた・・・主様は・・・全てを破壊できる力を持つ・・・
 それは・・・主様自身とて例外ではない・・・」
新八「!!!?」
ドシャリッ
・・・薄れゆく意識の中・・・わしは思った・・・彼奴きゃつは・・・全てを破壊できる究極の破壊神・・・その御力みちから
は・・・いや、その反動は・・・自身すら砕く・・・おそらく・・・これまでにも幾度となくわしみたいな
愚かな挑戦者が現れ・・・そして・・・みな、わしのように・・・愚かしく散って行った・・・わしが勝負を
挑んだ際のあの・・・悲しそうな眼は・・・そして、世界から逃げるようにヒッソリと暮らしていた・・・
わけは・・・まさしく・・・
茜薙せな「・・・すまぬ・・・また治療を頼む・・・」
男に対し、憐れみの眼差しを向けたのち、付き人に語る
セナ「いえ、主様・・・これが、私の役目です・・・」
再び、治療の封を施す付き人
・
・・
・・・
世界は大いに繁栄した・・・しかして、人は繁栄のあまり・・・おごり・・・神を殺して遊ぶことを覚えた・・・
そんな世界に・・・世界から隠れてヒッソリと棲む最強の破壊神がいる・・・
やがて、神を殺すことにも飽きてきた人は・・・その最強の破壊神を殺すことを目標に生きることとなった・・・
セナ「・・・」
ここはその最強の破壊神が隠れ住む場所・・・
ジャリッ
*「・・・ここに、最強の破壊神とやらがいるのだろう?」
その隠れ場所に・・・また1人の男が現れる・・・
セナ「・・・そんなものはどこにもおりませぬ。」
・・・かくて、世界は巡る・・・


《終劇》

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