Eighter -Scarlet Nocturne-
53rder 〜降真靈(こうしんりょう)は重くない B〜



#3
白拍子かなり「骨は拾ってあげるから、頑張って!」
白拍子かれん「冗談じゃないわよ!KR耀(こくげんよう)!」
 死んでたまるか〜!という意気込みと共に、黒き炎を駆使して出力を増強。
かれん「来るなら来なさいよ!暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
 ドンッ
 迫りくる刺舞鴉(シヴァ)にやけくそ気味で火の鳥をぶっぱなすかれん。
刺舞鴉(シヴァ)「……」
 しかし、刺舞鴉(シヴァ)はそんなかれんの渾身の一撃を両手をもってして力任せに引きちぎる
かなり「はいはい。鬼さんこちら!降魔烈破閃(ごうまれっぱせん)大千世界(だいせんせかい)!」
 かれんに襲い掛かっている隙をついて背後から千の斬撃を一つに束ねた一撃を繰り出すかなり。
 さしもの刺舞鴉(シヴァ)も襲い掛かっている最中に体勢を整え直してかなりに応戦することはできない。
 ガッ
かれん「ぐううぅっ!?」
 背後からの直撃を受けつつも、刺舞鴉(シヴァ)は左足でかれんを踏みつぶしつつ、強引に体勢を立て直す。
 そして、かれんはかれんで予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)と炎の刃を交差させて刺舞鴉(シヴァ)の左足を受け止める。
白拍子かんな「ごめんなさい……」
 シュドッ
 刺舞鴉(シヴァ)の意識がかなりに向いたその瞬間を狙い、今度はかんなが一足飛びにかかり斬撃を繰り出す。
 かんなの斬撃を受けた刺舞鴉(シヴァ)はかれんから距離を置いて再び体勢を立て直す。
かなり「ギア、上げるわよ?」
かんな「はい」
かれん「いつでもどうそ」
 ギィンッ
 かなりの叫びに呼応するように、かんな、かれんも神力の出力を上げる。
 三姉妹の額の『技』、『力』、『位』の紋章が一際力強く光りを放つ。
刺舞鴉(シヴァ)「……」
 その時、刺舞鴉(シヴァ)の動きが一瞬止まった。そして、その瞬間を三姉妹は見逃さなかった
かれん「はああっ!暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
かんな「てぇい!鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
かなりオ〜〜ッホッホッホッホッ!かなりに逆らいし者には"死"を!降魔烈破閃(ごうまれっぱせん)大千世界(だいせんせかい)!」
 火の鳥二連撃、更に千の斬撃を一つに束ねし一撃。三つの攻撃が刺舞鴉(シヴァ)に直撃する。
 やったか!……というのはフラグになるので誰もその単語を叫ばない。
 けれども、白拍子三姉妹のコンビネーションアタックを受けたとしても、まだ、刺舞鴉(シヴァ)を撃破するには至らない
のが現状である。
かなり(あと一歩……ってところかしらね?)
かんな(だったら、もう一度……)

#4
刺舞鴉(シヴァ)「……『力』……『技』……『位』……」
かれん「喋った!?」
 刺舞鴉(シヴァ)に更なる変化が現れる。
 無差別に、無意識のままに、とりあえず敵を攻撃する。それが今までの刺舞鴉(シヴァ)に対する印象であった。
 しかし、今の刺舞鴉(シヴァ)は違う。両手をだらりと下げ、首もがくりと落とし、まるで無抵抗の様だ。
かれん「ちょ、どういうこと!?」
茜瑙哭(セドナ)(そうか……)
女王禍(ジョーカー)(……刺舞鴉(シヴァ)……あなたは我らに討たれることを受け入れるというのね……)
奠夷瑪(ディーヴァ)(ならば、その潔さに応じましょう!)
 刺舞鴉(シヴァ)はこれまでの連撃で分かったのだ。今の自分が暴走している状態であることと、それを止めようとしてい
るのが同胞たる『技』の破壊神、『力』の破壊神、『位』の破壊神であると
 この三柱の手にかかるならば、本望……と、刺舞鴉(シヴァ)は自らの運命を受け入れる覚悟を決めたのだ。
茜瑙哭(セドナ)(さらば、刺舞鴉(シヴァ)!お前の誇り、我が身に刻んで生きよう!)
 カカッ
一同「え!?」
 しかし、次の瞬間、突如刺舞鴉(シヴァ)の肉体が光りに包まれる。

梓與鷹(よたか)「な?!……き、消えた!?」
 そして、閃光が止んだ時、そこに刺舞鴉(シヴァ)の姿はなかった。
反永(たんえい)「どういうことだ!?一体何が起こった!?」
韻麗(いんれ)「分からん……分からんが……」
(かみ)総介「死体が元の世界に戻るということはあり得ん……ならば、これは何者かの手による仕業……と考えるのが
自然だろう……」
 だったら、その何者かというのは、どこの誰なのか?
 少なくとも、大神の降真靈(こうしんりょう)ではない……
慈円(じえん)「ひとまずは危機を脱した……ということでしょうか?」
韻麗(いんれ)「そ……そうなるのか?」
かれん「お、終わった!?」
 へなへな〜とその場にへたり込むかれん。
 だが、刺舞鴉(シヴァ)が作り出した氷は、溶けそうにない。これでは当分嘉曦渋寺(かぎじゅうじ)で活動することができない。
かんな「……」
 そんな中、かんなは、いや、かんなの中に宿る茜瑙哭(セドナ)は虚空を睨みつける。
茜瑙哭(セドナ)(今のは……まさか……)
かなり「……まぁ、ひとまずは危機を脱したことを喜びましょうか?」
 パンッと手を叩き、かなりが場を〆る。

#5
袰烏(ほろう)「くふ……くふふふ……実にいいものを見せてもらった」
 邪悪な笑みを浮かべる袰烏(ほろう)。
 その邪悪な笑みは大神の降真靈(こうしんりょう)の幹部一行が思わずドン引きする程の凄みがあった。
袰烏(ほろう)「皆の者、聞けい!これよりわっちら大神の降真靈(こうしんりょう)は暫くその活動を停止する」
反永(たんえい)「なっ!?」
 突然の活動停止宣言。しかし、それが大僧正の望みであらせられるなら……と反永(たんえい)は彼女に(かしず)きそれを受け入れ
る
反永(たんえい)「仰せの通りに……」
與鷹(よたか)「な、なんか平和に解決したってことでいいのか……」
総介「……だといいんだがな……」

袰烏(ほろう)「わっちは諦めんぞ……いつの日か必ずや、異世界の神召喚ガチャを成功させる……」
 そう呟きつつ、袰烏(ほろう)は下駄をカランコロンと鳴らし嘉曦渋寺(かぎじゅうじ)を去っていく。
 そして、袰烏(ほろう)に続くように、反永(たんえい)以下高僧、ノイエDA、元咲魔も去っていく。
 結果だけを見れば《ザ・テンペスト》に続き、大神の降真靈(こうしんりょう)も潰すことに成功したことになる。
 だが、大神の降真靈(こうしんりょう)の野望が完全に潰えていない以上、いつかまたEighter・有嗎幇(ユーマハン)連合軍の前に立ちふさがる
かもしれない。
 だとしても、その時考えればいいのだ。かくてEighter・有嗎幇(ユーマハン)連合軍も嘉曦渋寺(かぎじゅうじ)を去るのであった。


END

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