#3
＊「殺すと、きたか……威勢のいいことだが、果たして貴様らにそれができるか？」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「なんだお前は？！」
　突如としてもう一人漢が現れる。
＊「……そうだな、初めまして……かな……俺は謂之府(いわのふ)ソリス。《ザ・テンペスト》だ！」
　名乗りつつヴァルカナリアクターの証を見せるソリス。彼の手の甲には赤と青の四角を組み合わせた八芒星に-X
の数値が刻まれていた。
　ちなみに、ヴァルカナNo.-X……それは《天帝の後継(サクセサー・オブ・プロヴィデンス)》と言うようだ。
一同「な、にぃ！？」
　《ザ・テンペスト》とは荒曲井(あれくせい)ソカタのことを指す名前でないのか？と一同が驚きを隠せずにいると、総介がい
ち早く口を開く。
上(かみ)総介「フッ、なるほどな……やはりそういうことか……」
梶太郎(かぢだろう)「いや、どういうことだよ？」
　荒曲井(あれくせい)ソカタも《ザ・テンペスト》、謂之府(いわのふ)ソリスも《ザ・テンペスト》……ならば、そこから導き出される結
論は……
総介「《ザ・テンペスト》とは個人の名前ではなく、組織の名前だということだろう」
出音(でおん)・グロウシュベル「な？！」
セイ・ニングライト「にぃ！？」
新田姜馬(きょうま)「なるほど……」
　暫し考えに耽る姜馬(きょうま)。
出音(でおん)「そうか！……ということは！俺とお前は共闘できる！」
　突如セイの手を取り、嬉々としてそんな事を叫ぶ出音(でおん)。
　そんな出音(でおん)をギロリと睨みつけながらセイは吠える。
セイ「あぁ？てめぇ、何を言ってやがるんだ？寝ぼけてんのか？」
出音(でおん)「俺とお前の仇は同じ《ザ・テンペスト》だが、その仇は同じ相手ではない！……つまり、俺とお前は協力し
て戦えるってことだよ！」
　同じ仇を狙うのが二人ならば、少し多いが、仇が違うのであれば、その限りではない。
※二人の仇が違うというのはあくまで可能性の話になりますが、しかし、出音(でおん)の仇はソカタで確定です。
イシュー・ネゼリアル、マイル・ネゼリアルマイル・ネゼリアル「ならば、改めて名乗ろう！」
バイラ・エウリデス、アーヴァ・エウリデス「我ら、嵐を呼ぶ秘密結社、《ザ・テンペスト》！」
一同「いや、どこから出てきたんだよ？！」
　これまた唐突に出現するイスマイル兄弟、バイラヴァ兄弟に驚き思わず突っ込みを入れる一同。

#4
與鷹(よたか)（ってか、コイツらも《ザ・テンペスト》の一味なのかよ……）
　ただ、大神の降真靈(こうしんりょう)、ノース光輪結社、�U(セカンド)シレントワイザード、ましてや有嗎幇(ユーマハン)のいずれにも属していないので
あれば、答えはおのずと限られてくるものだ。
※チラン・ギャンブリエルのようなフリーのヴァルカナリアクターという線もあったけどね
古畑呂司(りょうじ)（ってか、《ザ・テンペスト》ってどれだけいるんだ？）
　そして、今までどこに隠れていたんだ？と疑問は尽きない。
　だが、ここは《ザ・テンペスト》の拠点。ならば、《ザ・テンペスト》のメンバーがどこに潜んでいても怪訝(おか)し
くはない。
※本当か？それ？
荒曲井(あれくせい)ソカタ、謂之府(いわのふ)ソリス「お前らは下がれ！」
イシュー、マイル、バイラ、アーヴァ「は、はい。直ちに……」
　ソカタとソリスが静かに、しかし、怒りを込めて告げると、イスマイル兄弟、バイラヴァ兄弟の四人は振り向く
ことなくそそくさと二人の背後に移動する。
※それはイスマイル兄弟、バイラヴァ兄弟がソカタ、ソリスらより格下であることの証左だ
　なお、何故かソカタ、ソリスと同格のはずのユーサーもぺこぺこ頭を下げて謝っているが、いつもの事なので気
にしない。

　さておき、《ザ・テンペスト》の連中は各々、ヴァルカナリアクターの証を見せつけるように腕を掲げ名乗りを
あげていく。
ソカタ「白嵐、荒曲井(あれくせい)ソカタ。《世界(ザ・ワールド)》のヴァルカナリアクター」
ソリス「黄嵐、謂之府(いわのふ)ソリス。《天帝の後継(サクセサー・オブ・プロヴィデンス)》のヴァルカナリアクター」
ユーサー・コージィ「ごめんなさい。灰嵐、ユーサー・コージィです。すみません。《日蝕(イクリプス)》のヴァルカナリアク
ターです」
　ユーサーのヴァルカナは初めて見るものだが、赤と青の四角を組み合わせた八芒星に-XVIIIの数値が刻まれてい
た。
イシュー、マイル、バイラ、アーヴァ「そしてぇ、我らが主ぃ！」
イシュー、マイル「紅嵐、楼酉緋(ろうとりひ)ファルト！」
バイラ、アーヴァ「蒼嵐、麗減寓(れいべるぐ)フォルド！」
　何故か我が物顔で自分の上司を紹介するイスマイル兄弟、バイラヴァ兄弟。流石に何のヴァルカナリアクターか
までは紹介しないが、勝手にそんなことをして後で怒られたりはしないのだろうか？


続