Eighter -Practical Era-
55ther 〜非完全な宿命の宴 A〜
#0
eスポーツの授業の一環のために導入されたフルダイブ型VRMMORPG、インパーフェクトフォルトゥナオンライン
これはゲームであっても遊びではない!(授業の一環なので……)繰り返す、これはゲームであっても遊びでは
ない!(授業だもの……)
果たして、君は生き延びることができるか?
#1
*「さぁて始まりました、天下統一武闘会!ルールは至ってシンプル。この世界で一番強いのは誰なのかを決める
……ただそれだけのことです!」
総合司会の言葉にウォオオ〜〜〜と盛り上がるのは選手だけではなく、観客も同じだ。
*「司会を務めさせてもらう私のことは当然皆さんお分かりとは思いますが、初めての方もいるかもしれませんの
で改めて自己紹介しておきましょう。ギルド・セールスブリンガー所属のロウ・ジェノムでございます」
え?なんだって?……ろ、□ージェノム!?
※ちなみに余談だが、セールスは営業、ブリンガーは運ぶ者、という意味である。つまり……
ロウ・ジェノム「さて、今回は特別ゲストとともに司会を務めていきたいと思います。では、ゲストの方、どうぞ
こちらへ……」
呼ばれてゲストが登場すると、会場が驚きに包まれる
ロウ「そう、前回の大会の覇者にしてIFOの現トップランカー!ギルド・デスティアファミリア所属のレベル65の
猛者!……ジャガーノートのベル・ゲルミルさんです!」
一同「な、なんだってぇ〜〜〜?!」
※デスティアファミリアのベル・ゲルミルって……どこのダンまちだよ!
ちなみに、レベル65でトップランカーって言われても、かんなの方がレベルが高いんですけど……とか突っ込み
たくなる人もいるかもしれませんが、かんなは公表しているわけではないので……
それに、もしかしたらベル君以外にも隠れトップランカーがいるかもしれません。信じるか信じないかは貴方次
第です。(なぜ都市伝説?)
ロウ「しかし、ベル・ゲルミルさん……今回はどうしてまた参加しなかったのでしょうか?」
参加して入れば確実に優勝を狙えたでしょうに……とのロウの言葉に会場のみんなもうんうんと頷く。
ベル・ゲルミル「そこだよ!」
ロウ「と、言いますと?」
ベル「俺は強い……それはだれもが認める事実だ!」
ロウ「言い切ったぁ〜〜!」
だから、俺が出たら、優勝は間違いなく俺……それはつまらないだろう?……故に俺は参加してない!と続ける
ベル君であった。
#2
さておき、大会は始まった……
杭木亢(「今日こそ貴様と雌雄を決する時!」
楯木(盾「へっ、望むところだぜ!」
互いに槍を構え、一触即発の二人。
亢(、盾「だが、貴様は俺には絶対に勝つことはできんッ!なぜならば、俺のレベルはすでに30オーバー!そして、
穿屠君(にクラスチェンジ済みだからだッ……って何ぃ!?」
面白いくらいまでのハモり具合だった。
※穿屠君(て……
亢(、盾「貴様ッ。まだレベル29でランサーのままだとか言って騙しやがったな!」
いや、どっちもどっちだよ……
亢(、盾「流石シスコン、汚い!」
お前ら両方シスコンだから……そしてやってることは同じだから……
亢(、盾「クッ、レベルとジョブは同じ……だが、装備はどうだッ!貴様は知るまいッ!俺が持っているこの槍はと
ある氷河ダンジョンのボスドラゴンを倒すと確率でドロップされる……って、そっちもかよッ!」
仲いいですね……
亢(、盾「……おい、もしや、何本も持っているとか言い出すんじゃ……クソッ、またかよッ!ざけんなよ、このシ
スコン野郎ッ!」
なんなんだこの死合……って呆れだす観客
ロウ「ベル・ゲルミルさん、あの槍についてはご存じでしょうか?」
ベル「当然!あの槍は定規竜を倒すことで手に入る装備……そして、重要なのは定規竜を倒した際に発動するイベ
ントを無視してボスフロアから退却してもう一度ボスフロアに入ることで再び定規竜との戦闘からやり直せると言
うことだ!」
ロウ「おおっと!流石はベル・ゲルミルさん!」
※とある氷河ダンジョンのボスドラゴンとか、倒した後に一旦逃げれば何度でもボスドラゴンに挑めるだの、ボス
の名前が定規竜((ルーラーの意味が違ッ)だの……どこの□マサガ3だよ!
亢(、盾「クソッ!まぁいい、とにかく貴様を殺す!」
もう、なんだかぐだぐだだが、漸く始まった死合……だが、実力伯仲というか同じステータス同士なので全く死
合が動かない……これはつまらない……
続
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