Eighter -Noble Gathering-
34ther 〜憤る紅き災厄の章 B〜



#3
かつて交喙いすかの父、鷦鷯しょうりょうが解き放ってしまった災厄……その名はザイフリート
そして、父親の尻拭いのために息子たる交喙いすかが立ち向かったのだが……しかし、敗北してしまった……
だが、そこへ間一髪、結界をぶち破って與鷹よたからが間に合う。
果たして、ザイフリートを退けることは出来るのか?
白拍子かんな「……」
茜瑙哭セドナ覚醒を果たし、神滅超越者ラグナロクエクセルを構えるかんな
梓與鷹よたか「待ってくれ、かんな……ここは俺が行く」
しかし、交喙いすかの仇は俺が取る!と與鷹よたかが躍り出る。
ザイフリート「ふふん、次に死にたいのは貴様か……よかろう……相手になる」
そして、與鷹よたかVSザイフリートの死合が始まった!
與鷹よたか「はああッ魔狼幻惑まろうげんわく」
ズドドドドドッ
分身による一斉拳撃
ザイフリート「……何かしたか?」
與鷹よたか「……なるほど、こいつは硬い……」
與鷹よたかの一斉攻撃を受けても微動だにしないザイフリートに交喙いすかの言葉を思い出す
與鷹よたか「ならば、これはどうだッ神狼九断しんろうくだん」
ゴガガガガガガガガガッ
刹那の瞬間に九回の拳打
ザイフリート「フン、無駄だ……ガフッ!?」
先ほどの二の舞になるかと思いきや、突如苦しみ呻きだすザイフリート
そのまま與鷹よたかの拳打を喰らった部分……腹に左手を当ててその場でうずくまる
ザイフリート「貴様ぁ……」
與鷹よたかは、ただ九回の拳打を叩き込んだわけではない。
一点集中……刹那の瞬間に同じ箇所に九回の拳打を叩き込んだのだ
ザイフリート「もう殺す!」
そのまま右手一本で黎t劫棍れいきょうごうこんを上段に構え一気に打ち下ろす
ガキンッ
かみ総介「フン」
しかし、その一撃は與鷹よたかを捉える事が出来なかった……間に割って入った総介が蒼王の刃ブルーロードで受ける。
與鷹よたか「総……」
そして、総介の次の言葉にザイフリートはキれる
総介「別に一対多でも構わんのだろう?ザ・イフリート」
ザイフリート「貴様ぁ」
ザ・イフリート……それはザイフリートにとって忌まわしき侮辱……
確かに炎を操る魔人ではあるが、しかし、ザ・イフリートなどと呼ばれるのは侮蔑の極みだ。
※ちなみに、イフリートに定冠詞をつけるとすれば『ザ・イフリート』ではなく、『ジ・イフリート』が正しい
ザイフリート「燃え尽きろぉ!」
黎t劫棍れいきょうごうこんから炎が走り、総介を襲う。
が、しかしそれを軽々と回避する総介
総介「どうした?お前の力はそんなものか?ザ・イフリート」
ザイフリート「貴様……殺す!」
かくて、死合は與鷹よたかVSザイフリートから総介VSザイフリートへと移動した……

#4
與鷹よたか「……総の奴、わざと挑発してるのか……」
総介とザイフリートとの死合を見て與鷹よたかがぽつりと呟く
かんな「ええ、あえて侮蔑することで冷静さを欠かせて虚を突いて攻撃をしていますね」
交喙いすか「うっく……」
と、その時、交喙いすか、気がつく
與鷹よたか交喙いすか?」
交喙いすか「……う、いててて……」
そのまま起き上がり、肩をコキコキ鳴らしながら、体に異常がないかを確認する交喙いすか
交喙いすか「ザイフリートは?」
山咲やまざき桜「今は警部が死合っています」
すかさず桜が答える。
交喙いすか「……」
※……そう言えば、さっきからつかさの発言が一切ないのですが……つかさも一応ここにいますよ……
交喙いすか「くっ……奴は俺が斃さなくてはならん」
與鷹よたか交喙いすか……」
何かわけでもあるのか?と與鷹よたか
かんな「……お父さんがあれをここに封印した……そういうことですよね?」
交喙いすか「……」
沈黙は肯定。
交喙いすか「それだけじゃねぇ……親父は、ザイフリートとの死合の最中に負った怪我が原因で命を落とした……」
與鷹よたか「何だって?」
確かに奴がそう言ったんだ……と交喙いすか。
だからこそ、余計に自分がケリをつけなくてはならない問題なのだと交喙いすかは決意を顕わにする
與鷹よたか「しかし、交喙いすか、今のお前では……」
交喙いすか「……」
そう、棍を奪われた交喙いすかではザイフリートと渡り合うことが出来ない……
いや、そもそも棍を持っていたときでさえ、ザイフリートに屈したのだ……
交喙いすか「……まぁ、確かに奴を過小評価した結果があの様だが……」
代わりになる棍があれば闘える!と交喙いすか
與鷹よたか「代わりの武器になりそうなものと言ってもなぁ……」
廻りを見ても……見渡す限りの荒野しかない……
そう、棒きれ一本落ちていないのだ……
交喙いすか「くそ……」
キラリ
交喙いすか「ん?」
と、その時、遠方に何かキラリと光るものを見る
交喙いすか「あれは……」
與鷹よたか「どうした?交喙いすか……」
そのまま交喙いすかはふらふらと、まるで催眠にでもかかったかのような足取りでその光を放った先へと歩みだす
與鷹よたか「あ、おい、交喙いすか……」
尋常じゃない様子の交喙いすかを心配し、與鷹よたか交喙いすかの後を追うのだが……
與鷹よたか「……あれ?」
……しかし、見渡す限りの荒野……見失うわけがないその荒れ地で、與鷹よたか交喙いすかを見失ってしまう
與鷹よたか交喙いすか……」

一方……

交喙いすか「……はっ?」
気がつくと、交喙いすかは見知らぬ場所に立っていた
交喙いすか「どこだここ?」
そして、目の前には一本の杭のようなもの……
交喙いすか「……これは……」
その杭は、交喙いすかの武器になりえるのか?


続

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