Eighter -Noble Gathering-
15ther 〜奪い去られた天球 A〜



#0
今から10年前……獅殺山しころやま家からプラチナ、ダイヤ、サファイアなどで出来た地球儀の
オーパーツ、光の天球が奪われ、一家皆殺しにされたという事件が発生した……
その後、事件は何の発展もなく……今に至ったのだが……今回はそんな難事件(?)に纏わるエピソード

#1
天四斗あまよと、警察署
かみ総介「殺されたのは獅殺山しころやま億斗、獅殺山しころやま美奈子、獅殺山しころやま剛太の3人……そして、未だ犯人は分からず終い
 ……か」
中川邦武ほうむかみ警部……そんな迷宮入りになった事件をよくもまぁ引き受けたもんですねぇ……」
総介「……お前ら捜査の邪魔だ……出て行け!」
警官「いや……あの……別に邪魔しているわけじゃあ……」
山咲やまざき桜「……あなた方も少しは警部を見習ったらどうですか?警部は巷で起きている事件なんか簡単すぎて
 つまらないからこの事件を引き受けたんですよ……」
警官「おいおい、巷で起きている事件が簡単すぎるって……」
邦武ほうむ「一体どんな頭してんだよ!!」
警官一同、総介の頭の良さにびっくり!
※いや、それ以前にこの世界の警官の頭の悪さが目立つだけなのですが、突っ込んではいけません。
総介「うるさいぞ……てめぇらとっとと出て行け!」
一同「は……はいっ!!」
と、言うわけで、一行は一目散に逃げていく……
・
・・
・・・
総介「……そのオーパーツ、光の天球がどのようなものかは知らないが……放っておくわけにもいかんだ
 ろ……」
桜「警部……そのことなんですが、実は……新たな事実が発覚しまして……」
書類を片手に桜が言う
総介「ほぉう!?」
早速……総介は與鷹よたか交喙いすかに連絡を取り、牡牛座六つ星星団プレアデスへと向かった……
天四斗あまよと牡牛座六つ星星団プレアデス與鷹よたか「光の天球強奪事件ねぇ……」
そういえば、そんな事件もあったなぁ……と與鷹よたか……
元人交喙いすか「総介……お前も結構ヒマなんだなぁ……そんな難事件を取り上げようなんざ……」
桜「警部は手柄を立て過ぎたので……それで……」
交喙いすか「……なるほど、ハナから解決できないような事件を押しつけた……と……」
與鷹よたか「……確かに……一家皆殺しにされたんだ……死人に口無し……ってなことで、流石に、今回は
 ……」
総介「……いや、そうでもないぜ……」
與鷹よたか交喙いすか「え!?」
総介「山咲やまざき!」
桜「はい」
すくっ
そして、桜は席をはずし……そして、暫くして、少女を連れて戻ってくる

#2
交喙いすか「何だ?その女!?」
総介「彼女は……事件の唯一の生き残りだ……」
與鷹よたか「おいおい、一家皆殺しにされたんじゃなかったのか!?」
総介「……ああ、だが……彼女だけは生かされていた……」
與鷹よたか「……つまり、隠し子……ってことか」
総介「ああ、そうだ……彼女は本当に正真正銘の『隠し子』だ……」
與鷹よたか「……それは……どういう?」
桜「隠し子……一般的には正妻以外の相手との間に出来た子供……ですが、今回はただ単に隠されていた
 だけという子供です」
與鷹よたか「おいおい……そんな隠し子ありかよ!?」
総介「……隠し子の定義としては……アリだ……まぁ、今はそんなことを詮索している場合ではないが
 ……」
交喙いすか「なんだ……そりゃ!・」
総介「で、話を戻すぞ……」
與鷹よたか交喙いすか「ああ……」
少女の名前は獅殺山しころやま麗……間違った意味の獅殺山しころやま夫妻の隠し子である……ただ単に、何となく世間から隠され
てきた子供で、なぜ隠し子にされてきたかは謎という不憫な子だが、それゆえに10年前の一家皆殺しから逃れる
ことができたある意味幸運の子……
獅殺山しころやま麗「……光の天球は……依頼料としてあげるわ……だから……仇を殺って欲しいの」
與鷹よたか「ちょ……ちょっと待って……」
交喙いすか「それってつまり……10年前の犯人が誰だか分かっているってことか!?」
麗「ええ……」
ただ、その存在を秘匿されただけの子供は……当時、存在感が薄かったのか……
與鷹よたか交喙いすか「その……犯人は!?」
麗「……蓋五山ふたごやま……蓋五山ふたごやま千蔵!!」
與鷹よたか蓋五山ふたごやま……!?」
交喙いすか「なっ?……あの蓋五山ふたごやまグループの総帥か!?」
総介「とまぁ……そういうことだ……」
與鷹よたか「……しっかし……蓋五山ふたごやまグループと言うと……」
総介「ああ、そうだ……強盗、殺人、何でもありの極悪集団だ……」
交喙いすか「あそこを攻めるとなると……一筋縄じゃあいかないなぁ……」
麗「そこを何とか……お願いします!!」
深々と頭を下げる麗
與鷹よたか「頭を上げてください。引き受けないとは行っていませんし……」
麗「で……では……?」
與鷹よたか「ま……光の天球に興味もあるし……」
総介「フッ……」
交喙いすか「久しぶりに3人での仕事だ……行こうか……」
麗「そ……それでは……」
総介「時間も惜しい……早速行くぞ……」
一同「応!!」
と、言うわけで……光の天球を目指して……3人は立ち上がる……


続

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