Eighter -Midnight Howling-
48ther 〜巫剣(ふけん)走る颶風剣者(ヴァンセイバー) B〜



#3
 クリンゲフィシュは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の手により壊滅した……だが、それで全ては終わりではない!奴らを裏か
ら操っていた場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が立ちはだかる!
憂粋(うぃすい)タブレ「人間(パーツ)風情が……」
羅叉(らさ)タブラ「地獄を見たければとっととかかってくるのがいいかもね!」
 タブラは盲いた蘭学(ブラインド・ダッチ)を、タブレは祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)を構えて叫ぶ。
河上沢斗(たくと)「地獄を見る……か……あんまり健康的じゃないね……」
一同「……」
※地獄 = hell、見る = see、地獄を見るでヘル・シー……いや、ちょっと待って!
 片や斬り触れたものを驕らせて無力化する転静曦禍(てんじょうぎか)の使い手、タブレ
 片や斬り触れたもののやる気をそぎ落とし無力化する蝕無戴漫(しょくむたいまん)の使い手、タブラ
 ……似通っているのは名前だけじゃないんですね。タブラレコンビ……
※だからタブラレコンビって……
白拍子かんな「では、そちらは任せますね」
 かんなはそう言って神滅超越者(ラグナロクエクセル)を構えるとタブラに一足飛びにかかる。
沢斗(たくと)「ほいほい、任された!」
(かみ)総介「フッ」
 と、言うわけで沢斗(たくと)、総介はタブレの元へ歩み寄る。
タブレ「貴様如きが場違いな黒き遺物(ぼくたち)に敵うとでも思っているのだ?」
沢斗(たくと)「やってみなくちゃわからないってね、とあるウィッチも言っていたし」
 日本刀として鍛え直したデュランダルを抜刀し、沢斗(たくと)は言う。
沢斗(たくと)虚刃舞(きょじんまい)!」
総介「蒼天討突(そうてんとうとつ)!」
タブレ「無駄なことを……」
 四方八方から刃の嵐を浴びせる沢斗(たくと)に心臓を打ち貫く蒼き剣閃を放つ総介だが、それらすべては躱されてしまう
沢斗(たくと)「なら、疾空刃(しっくうじん)!」
総介「蒼砕節(そうさいさつ)!」
 ズドゴアッ
 両者ともども狙うはタブレの(手足の)間接!
 が、しかし、祝福無き強いる義務(ノーブレス・オブリージュ)で軽々と二つの兇刃を受け止めるタブレ
タブレ「驕るなよ人間(パーツ)!」
沢斗(たくと)「いや、別に驕ってはないけど……」
 だが、静かに怒ってはいる……パっとは分からないけど
総介「驕っているのがどちらなのか、それは直ぐに分かることだ」
 油断すると痛い目に合うのはよくあることだが……
沢斗(たくと)九留極天(くどきょくてん)!」
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)!」
 ザガガガガガガガガガッ
タブレ「転静曦禍(てんじょうぎか)!」
 総介、沢斗(たくと)の一瞬九斬!……だが、しかし、両雄の刃はタブレに届かない!
梓與鷹(よたか)(総……)
 死合を見て與鷹(よたか)は思う……
與鷹(よたか)(やっぱり、総や明殺(みょうさつ)者でも場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在には届かないのか……)
山咲(やまざき)桜(いいえ、ここは警部を信じてください……)
 どのみち與鷹(よたか)は見守ることしかできない。忸怩(じくじ)たる思いでいっぱいだ。

#4
 一方、かんなとタブラは……
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
タブラ「蝕無戴漫(しょくむたいまん)!」
 ズドンッ
 応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍……はタブラにアッサリとやる気をそがれて無力化される。
タブラ「貴様の力はこんな程度ではないことは既に知っているかもね!」
 前に貴様に痛い目にあったからな!とタブラ
かんな「そうですか……では……」
 かんな、茜瑙哭(セドナ)覚醒!
タブラ「そうだ!こちらも前とは違うということを見せてやるかもね!」
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
タブラ「蝕無戴漫(しょくむたいまん)!」
 キュゴガッ
 先ほどと全く同じ攻防……違うのはその威力!
タブラ「な、何だと!?」
 タブラは知らない……かんなが南米で修業をして強くなったことを……だからこれは油断ではない……
 ただ、運が悪かった……それだけのことだ
※それで済ませるなよ
 応龍(おうりゅう)が無力化されずタブラに迫る。
タブラ「巫山戯(ふざけ)るなァアアアアッ!」
 盲いた蘭学(ブラインド・ダッチ)でそれを切り捨てるタブラ。だが、次の瞬間にはかんなが迫る。
タブラ「《キツネザルの使徒》ッ!」
 ガキンッ
與鷹(よたか)「な、何だアレ!?」
 タブラの周辺に謎のフィールドが展開し、神滅超越者(ラグナロクエクセル)の刃を止める。
 それは冥王の心臓の力!かつて森メメントがオーバーロードさせてしまった後から改良され、超過出力にならな
いようにリミッターが付けられている。
 そして、新たにシールド(シェオルフィールド)が付けられたのだ。
 なお、シェオルというのは黄泉の原語……冥王の心臓にふさわしい機能である。(本当か?)
かんな「鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ズドオンッ
タブラ「があっ!?」
 斬撃はあまり効果がない……そう判断しかんなは刃を一旦退くと同時に至近距離から平安を(もたら)す火の鳥をぶちか
ます。
 攻撃は防げても、押し出し効果までは防げない。
 鳳凰に弾き飛ばされ、タブラは派手に吹き飛び後方の壁に激突する。
タブラ「ぐ、ぐぅう……」
 ダメージはあまりないが、衝撃は大きい(色んな意味で……)
タブラ「《キツネザルの使徒》……貴様、いつの間にこんな力を!?」
かんな「あなたの知らないうちにです」
 いや、それはそうだけれど……
タブラ「やはり、貴様はここで殺しておかないといけないかもね……ハデステリトリー、いや、ゲヘナテリトリー
をバースト!」
 ズゴゴゴゴゴゴゴゴッ
 タブレの殺気が禍々しく膨れ上がっていく。これが冥王の心臓の現段階での最大出力!
 ハデステリトリーやゲヘナテリトリーというのはリミッターの事に他ならない。
 さて、かんなはタブラを撃破できるか!?一方の沢斗(たくと)の方はどうなっているのか?!


続

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