Eighter -Grand Harmonise-
31ster 〜相容れぬ漢達の宴 C〜



#5
零大辰れいだい・しんたおさんとする存在は天然蛍あましか・けい……だが、師匠は今のお前ではけいには敵わないと言う……それは、一体
どういうことなのか……
*「もし……今のけいに敵う相手がいるとすれば……諸国を旅して回っているお前の兄弟子くらいだろう
 な……」
そして、師匠はぽつりと漏らす
零大辰れいだい・しん「なっ!?……あんなヤツに……あんな……ヤツにぃ!」
自分の力を認めれもらえず、しんは怒る……
と、そんなとき……
天然蛍あましか・けい「やっほ〜〜〜、じいちゃん生きている!?」
空気の読めない(?)けい登場……
ドゴギャンッ
けい「ぐうっ!?」
だが、イキナリ師匠に弾き飛ばされる
*「水炎みなほむら聖十郎と呼ばんか!」
けい「……あ〜〜〜、はい……はいはい。師匠。久しぶりだね〜〜」
吹き飛ばされつつも、すぐさま体勢を立て直し、けいが言う
※でも、やっぱり、名前は呼ばないけい。拘りをもっているんですね……
水炎みなほむら聖十郎「……ほむら一刀流を一通りマスターしたかと思うとフラフラっと出て行きおって……今まで何を
 していた!」
けい「ん〜〜〜……何してたっけ!?」
そして……しんそっちのけで昔話などに浸る聖十郎とけい……
聖十郎「……まぁ、良い……お前が考えることをしないことはこの儂が十分承知している。……で、何
 の用でここに来たんだ?……もはやお前に教えることは無い」
お前は既にほむら一刀流をマスターしておる……故に、最早儂が教えることは何もない……と聖十郎
けい「あ〜〜〜えっと……何で来たんだっけ……?ん〜〜〜……」
……そんな聖十郎の言葉を余所に本気で考え込むけい……暫く考え込んだ後、けいは口を開く
けい「……あれ!?……そういえば……居ないなぁ……あいつ……どこに置いてきたんだっけ!?」
辺りを見ながらけいが言う。おっかしいなぁ……などと首をかしげつつ……
※その、『あいつ』とは無論、突込魁とつこみ・かいのことです。
・
・・
・・・
ちなみに……そのころかいは……
突込魁とつこみ・かいけいぃいいい!!!あいつ……ひょいひょい一人で先に行って……ここはどこなのよ!!全く!!」
聖十郎の道場のある山の中をうろうろしながら叫び散らすかい
かい「大体、何で私までついていかなきゃならないわけ!?……ってか一体こんな山奥に何があるって言う
 のよ!!けいぃいいい!!!」
※誰もいない場所にて叫んでも仕方ないと思うのですが……
かいの怒りの叫びも……虚しく山の中に吸い込まれていくのみであった……
※ちゃんと道案内くらいしようね……

#6
……で、話は戻って……
しん天然あましか……けい……」
ドッ
今まで襲いかからなかったのが不思議だったが……遂に、しんが飛び掛ってくる
ギギインッ
けい「ん?何?アンタ……?」
だが、襲い来る兇刃をいとも簡単に受けるけい……
しん「探したぞ!けい!!!キサマを……キサマを殺す!!!」
怒りに震えながらしんが叫ぶ
けい「……へ〜〜〜……やってみな……」
ギャギャギャギャッ
と、ここで、一旦刀を捌いて距離を取る両者
しん「師匠……俺がどこまで強くなったか……その耄碌もうろくした目に焼き付けるがいい!!」
聖十郎「ほっ……そうかい……」
言葉で理解できぬのなら、その体で理解するんだな……と聖十郎は最早、何も言わない……
けい「……ん〜〜、じいちゃん……この人……知り合いなの!?」
聖十郎「……弟子の1人じゃ……」
そして、せめて、師匠と呼ばんか!と聖十郎が一喝
けい「へぇ〜〜〜そうなんだ……」
と、あくまでしんを無視して聖十郎の方を見て会話しているけい……そんな隙を逃すしんではない……
しん「おしゃべりのヒマは無いんだよ!このっ!水沫滴子すいまつてきし」
ドンッ
水の剣閃がけいに飛ぶが
けい「ん?何!?」
ジュオッ
けいの眼前で蒸発する
しん「な……にぃ!?」
聖十郎「……今なら遅くない……刃を納めろ!しん!お前では絶対に勝てん!!」
しん「ふざけるな!!たかが1回水の刃を防いだくらいでぇええ!!」
けい「あ〜〜〜ひょっとして……異母兄弟とかいう設定!?」
しん「違ぁ〜〜〜〜〜う!!!」
ドゴアアアアアアッ
地面にめり込む2つの剣……だが、その場所にけいはいない
けい「あ〜〜〜、怖い、怖い……」
スタタッ
距離を取っているけい
しん「いつまでも逃げ回っていられると思うな!!消え去れッ!鳳凰水刃ほうおうすいじん!」
ドドドドドドッ
水で出来た鳳凰がけいに襲い掛かる
けい「……炎十文字ほむらじゅうもんじ」
ザザムッ
しん「なっ!?」
炎を纏わせた剣で鳳凰を十文字斬り
けい「なんだ……全然成長していないんだね……ひょっとして……今でも動かないもの相手に修行してる
 の!?」
しん「黙れぇえええ!!!」
ゴアアアッ
怒りにまかせて飛び掛るしん
けい「……ま、どうでもいいけどね」
ガキィンッ
しん「はっ!?」
刀を弾き飛ばされる
ドザザムッ
聖十郎「……分かったであろう……しん……今のお前とけいとの力の差が……」
しん「……ぐぬぬぬぬ……」
力の差は歴然……?しんは……けいを相手にどう闘おうというのだろうか……
そして……かいは今、どこに!?


続

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