Eighter -Extra Voyage-
71ster 〜虎が吠ゆ赤い一撃 A〜



#0
 化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)。彼は名前とは裏腹に負けてばかりの人生である
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)(あだし)の勝ぢだろう
 そして、今回はそんな梶太郎(かぢだろう)にスポットライトを当てたエストポリス
※エ『ストポリス』じゃなく、エ『ピソード』だからッ!!……TAITO発のVが挫折したゲームかよ!!

#1
 天四斗(あまよと)、某所
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「よし、行ける!」
 何が『よし、行ける!』なのかさっぱりわからないが、今日こそは與鷹(よたか)に勝つという気合十分で……いつものよ
うに與鷹(よたか)に襲撃をかまそうとしていた梶太郎(かぢだろう)であった。
※この時点で既に敗北フラグが立ってるんじゃねぇの?
 そして、そんなこととはつゆ知らない與鷹(よたか)はというと……

 天四斗(あまよと)、Eighter本部
元人交喙(いすか)「おう、與鷹(よたか)、宝探しに行こうぜ!」
梓與鷹(よたか)「いきなり、どうした!?」
 その日、交喙(いすか)與鷹(よたか)の元を訪れていた。目的はトレジャーハンティングの助っ人要請だ。
與鷹(よたか)「いろいろと言いたいことはあるが、まぁ、話を聞いてやろう……」
交喙(いすか)「おうよ!……お前らも富山県民なら聞いたことはあるだろ、佐々成政の黄金伝説のことを!」
一同「いや、別に富山県民ってわけじゃないけど……」
 揚げ足をとるんじゃねぇよ!と交喙(いすか)が突っ込む。
交喙(いすか)「俺は先日、新宿の古物商から佐々成政の黄金伝説に纏わる品を手に入れたのよ」
百鬼あろえ「なんで新宿?」
交喙(いすか)「馬鹿か、お前、新宿と言えばありとあらゆる遺物の情報が集まる都市だぞ!」
 遺都新宿と言えばその道の人にとって知らぬ者はいないと豪語する交喙(いすか)に、一行は呆れてため息とともに相槌を
打つことしかできないのであった
※いや、遺都シンジュクってそれは世界樹の迷宮のダン〇ョンなんですが……
交喙(いすか)「とにかく、サッサと出向いて成政の金を頂きに行こうぜ!」
一同「ダジャレかよ……」
 半ば呆れつつも、交喙(いすか)は割と強情なところがあるため、やむなく、與鷹(よたか)は折れてEighter本部から出ることにし
たのだった。
梶太郎(かぢだろう)「おらあっ、死ねッ!與鷹(よたか)ッ!」
 と、丁度その時、梶太郎(かぢだろう)が襲い来る
交喙(いすか)「おらっ!」
 ゴドンッ
梶太郎(かぢだろう)「ぐげ!?」
 襲い来る梶太郎(かぢだろう)金匙玉楊(きんしぎょくよう)で迎え撃つ交喙(いすか)
梶太郎(かぢだろう)「てめぇ、誰だ!?」
交喙(いすか)「はぁ!?てめぇこそ誰だよ!?」
 そして、睨みあう二人。

#2
與鷹(よたか)「二人とも、ちょっと落ち着け!」
交喙(いすか)梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?」
 宥めにかかる與鷹(よたか)を睨みつける二人。案外似たもの同志なのかもしれん。
與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)……こいつは交喙(いすか)、元人交喙(いすか)……なんというか、俺の友人だ」
梶太郎(かぢだろう)「友人だと!?」
 なんでそこでそんなに驚くのか!?
與鷹(よたか)「そして、交喙(いすか)、コイツは梶太郎(かぢだろう)化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)……なんて言ったらいいのか……敵だけど、敵じゃないという
か、なんというか……」
交喙(いすか)「どういうことだよ!俺にも分かるように説明しやがれ!」
 交喙(いすか)、魂の叫びだった。
 第一コイツはさっき『死ね!』とか言って襲い掛かってきたじゃねぇか、これが敵じゃなかったらなんだって言
うんだよ!と交喙(いすか)が吠える。
與鷹(よたか)「その、なんだ……話せば長くなるんだが……」
 ひとまずは話してみる
 梶太郎(かぢだろう)は双虎拳の使い手で今は総介の手駒として活動していること。そして、総介が勝手に決めたことだが、定
期的にこうやって絡んでくること。
交喙(いすか)「ヤツの手駒か、それは何というかご愁傷様ってやつだな」
梶太郎(かぢだろう)「うるせぇ!そっちこそ、與鷹(よたか)の友人ってことなら、俺にとっては敵だな!」
與鷹(よたか)「いや、どういう考えだよ……」
 あきれてものが言えない與鷹(よたか)であった
※いや呟いてるじゃん……
梶太郎(かぢだろう)「丁度いい、與鷹(よたか)の前に貴様を倒す!」
交喙(いすか)「ヘッ、面白いじゃねぇか!貴様は與鷹(よたか)が相手するまでもねぇ!俺がギタンギタンに叩き潰してやるぜ!」
與鷹(よたか)「いや、別にそこまでしなくてもいいんだが……」
交喙(いすか)「大丈夫だ、與鷹(よたか)!トレジャーハンターとして避けられない戦いがあるのならば、挑まなくてはならん」
一同「いや、トレジャーハンターの避けられない宿命は死合うことじゃないでしょ……」
 思わず突っ込む一同。
梶太郎(かぢだろう)「ハッ!今時トレジャーハンターなどと巫山戯(ふざけ)た職業についている人間なんて初めて見たぜ、要するにNEET
ってことだろ?!」
交喙(いすか)「てめぇ……殺すぞ!大体、お前與鷹(よたか)に勝ったことねぇんだろ……名前負けもいいとこだぜ……そろそろ役所
に行って『化野負太郎(あだしの・まけだろう)』って改名して来いや!」
 売り言葉に買い言葉……今、正に戦いの火蓋は切って落とされたのであった。


続

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