Eighter -Extra Voyage-
37ther 〜虐待ではなく逆待 B〜



#3
 生徒が先生を苛めるのは『虐待』……では、生徒が先生を教えるのは……そう『逆待』……これは、そんなおか
しなことになった生徒と教師の物語……
 そして、切場莱(きりば・らい)に若干打ちのめされた次の日……
生徒「先生〜〜〜億の次って何ですか?」
 授業の最中、ちょっとしたことで質問が飛ぶ
多気幟(たき・のぼり)「億の次ですか……それはですね……」
切場莱(きりば・らい)「億の次は兆、それから千倍するごとに京、(がい)(じょ)(じょう)(こう)(じゅん)、正、(さい)(ごく)恒河沙(ごうがしゃ)阿僧祇(あそうぎ)那由他(なゆた)、
不可思議、無量大数と続きます」
 自信を持って応えようとした矢先、と、すかさず(らい)が答える
(のぼり)切場(きりば)君……」
 また、アンタか……と思っていると、更に(らい)は続ける
(らい)「無量大数は0が68個続く数字ですが世の中にはさらに凄い数も存在します。その最たるものが不可説不可説転
で、この数の前ではどんな数も塵に等しい。ある意味無限に近い数です」
 (らい)の力説に、一同は暫し沈黙するのであった……

(のぼり)「で……では……気を取り直して、あ〜〜全体の中にどれだけ含まれているかを知るのが割合で、分数や百分率
でありまして……」
 その後、授業を再開すべく、多気(たき)先生は話を進めるのだが……ここでもまた、(らい)がしゃしゃり出てくる
(らい)「先生、ちゃんと千分率やPPM、PPBなどについても教えなくちゃだめですよ」
(のぼり)「あのねぇ、そういうことは今、習うことじゃなくてですね……」
 いいから、先生の言うことを聞いてください……と言ってみるも、効果はない
(らい)「しょうがないなぁ……もう、先生が教えないって言うんなら、僕が教えてあげますよ……」
(のぼり)「ちょ、切場(きりば)君?」
 ズカズカズカッ
 そのまま(らい)が教卓に向かう
(らい)「先生は僕の席にでも座っていてください」
(のぼり)「あのねぇ……」
生徒「あ、それ、面白そう。先生、やってくださいよ〜〜」
生徒「うんうん、やってよ、先生」
(のぼり)「……は……はぁ……」
 生徒一行が盛り上がるので、しぶしぶ切場(きりば)の机に座る多気(たき)先生
(らい)「先生」
 すると、再び(らい)が語る
(のぼり)「今度は何だ?」
(らい)「先生がデカ過ぎるのでちょっと一番後ろの人と変わってくれます!?」
(のぼり)「……分かった。分かったよ……」
 あ〜〜、もう、好きにしてくれ……と一番後ろに座る多気(たき)先生であった……
(のぼり)(どんな問題出すんだよ!?)

#4
(らい)「例題、ANKOKUの6文字を1列に並べる順列はいくらあるますか?」
 かくて、(らい)による特別授業が始まったのだが……まず、小学生では無理な問題が飛び出す
一同「何それ!?」
(のぼり)(何という問題を!?)
(らい)「先生、答えてください」
(のぼり)「はぁ……6!/(2!1!1!1!)……で、えっと……360通り……」
(らい)「正解です」
(のぼり)「ってかなぜに算数じゃなく、数学!?」
 しかし、(らい)はそれを無視して次の問題に進む
(らい)「では次、y=x2+2とy=3x2で囲まれた図形の面積は?」
生徒「何それ!?」
生徒「ぜんぜん分からないよ……」
生徒「ってかグラフ自体描けないし……」
(らい)「いいですか……」
 カツカツカツ
 黒板に書き出す(らい)
(らい)「まず交点を求めます。交点は3x2=x2-2つまり、2x2-2=0、2(x2-1)=0、これが、2(x+1)(x-1)=0となるので
x=±1となります。……これから面積を求めるには……s=|∫±1 (2x2-2)dx|=|[2/3×x3-2×x]±1|となって……
s=|2/3(13-(-1)3)-(2×1-2×(-1))|=8/3となります」
 カカカカカッ
 サラサラサラっと流れるように答えを黒板に書いていく(らい)
生徒「ぜんぜんわかんない……」
(のぼり)「いやいや、小学生に微分積分って切場(きりば)君……君は機械化光線でも掠った人間なのかい!?」
(らい)「先生は一度病院に行くことをお勧めします」
※暴言試合……
(のぼり)「……いや、むしろ切場(きりば)君の方が……」
 と、そこへ……
翼出欝(でうつ)「あれ!?どうしたんですか!?多気(たき)先生……」
(のぼり)「聞いてくださいよ、この切場(きりば)君が僕に代わって授業を行うって言うんで……」
出欝(でうつ)「あ、なるほど、噂の生徒は切場(きりば)君だったんですか……」
(のぼり)「え!?知っているんですか!?」
出欝(でうつ)「ええ、ゆとり教育がはじまったとたん、日本全国のバカどもを跪かせるんだ〜〜って超英才教育に走ったお
子さんですよ」
(のぼり)「おいおい……跪かせるんだって……」
出欝(でうつ)「ですから、もう高校卒業レベルの問題も解けるんですよね」
(らい)「ぶいっ!」
※小学生がどんな勉強をしたらそんな頭脳になるのかぜひ知りたいですな……
(のぼり)「……間違っているよ……本当に……」
(らい)「間違っているのはゆとり教育の方です。だいたいですね、今の時代、お金がないと東大に入れないっていう時
代なんです……」
(のぼり)「いや、あのね、切場(きりば)君……」
(らい)「……日本の未来は僕1人の手で作るんです!!」
一同「……」
 ああ、きっとコ○ンや哀だって逆待なんだろうなぁ……などとどうでもいいことを考える多気(たき)先生であった

 そして、今日も切場莱(きりば・らい)は東大入試へむけて突き進む……日本を牛耳るため、頑張れ!切場莱(きりば・らい)
※そこで応援してどうする!!


END

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