Eighter -Extra Voyage-
14ther 〜孤高の剣鬼の羇旅 B〜
#3
萌……閣氏(新撰組から旅立ち、久しぶりに修羅の門へと帰ってくる……と、そこに待っていたのは萌の居場所を
奪った漢、離久遠(修理……かくて、萌と修理の死合が始まったのだが……なんだか
どうにも、萌は本気ではないみたいで……この死合、どう決着つくのか!?
※いや、既に勝負は見えている気がしますよ……
離久遠(修理、冥時(萌「……」
ジリジリ……
対峙したまま、動かぬ2人……と、その時、修理が先手を取る
修理「ぬおおおお!!星薙(・逵路乃太刀(」
ドドドドドドドドドッ
壱乃太刀〜玖乃太刀までを一気に繰り出す……いわゆる九頭○閃
修理「終わりだ!孤高の剣鬼ッ!!」
冥時(萌「……ハッ!斬空破(」
ズギャウオアアアッ
だが、そんな彼の奥義も、目論も、思わくも……全てがあっさりと破られる。
萌の剣閃が……全てを掻き消し修理を弾き飛ばす
修理「な……んだとぉお!!?」
ズザザザッ
ダムッ
驚愕と衝撃で体を揺さぶられながら……それでも、なんとか体勢を立て直す修理
修理(くっ……孤高の剣鬼……俺の……いや、逵路星刃(流より速い!!?)
チャキッ
長刀を構え直し、そんなことを思う修理……
逵路星刃(流が飛天○剣流だとすると、孤高の剣は天剣・宗○朗と言ったところか……
萌「もう一度だけ言うぞ……今、この場を立ち去ると言うのならば……何も言わん」
ビシッ
刀を突きつけ、萌は叫ぶ
修理「ハッ!剣鬼が……随分とフザけたことを言う!!」
萌(……何故……だ!?……何故俺は生かして帰そうなんて思った!!?)
敵は全て殺すが常識……そんな常識の中でこのように相手を活かすなどという台詞が出てきたことに、自分でも
びっくりな萌……
修理「この奥義はできることなら使いたくなかったんだが……こうなったら仕方あるまい……」
ぐおんっ
萌が少し困惑していると……修理は長刀を上段に構え出す
萌「……フン、まだ来るか……いいだろう……だったら……殺す!!」
ズオオオオッ
萌も邪気を高めて応戦する
修理「おおりゃああ!!」
バキャイイインッ
萌「……」
と、その次の瞬間、修理は地面(に刀を叩きつけて長刀を折る。予想外の出来事に、萌も絶句……
#4
萌「……馬鹿が……今更降参しても、もう遅い!!」
修理「ほざけ!勝負はここからよ!!」
パチリッ
チャッ
折った長刀を納刀して抜刀術の構えを取る
萌「……」
刀を折ったのも、全ては長刀では抜刀術が使えないがため……更に言うと、『出来れば使いたくない』というの
も、長刀を折らなければ抜刀術が使えないから……という理由から……
※Q:だったら最初から普通の長さの刀を使えや!修理!
A:……彼曰く長刀は漢のロマン……だそうです。
修理「行くぞ!!」
萌「……どこからでもかかって来い……」
修理「ハッ!星薙(・天龍乃太刀(」
ズドオオンッ
踏み込む、と同時に抜刀術を繰り出す修理……抜刀の威力を殺さず、さらに脚を斬ることなく補助として踏み出
すようなその仕草は……まさしく天○龍閃に通じていた……
※いや、本当に逵路星刃(流って飛天○剣流と同義ですか……!?
萌「フン」
ガギャイインッ
萌は、左の2刀でそれを捌き……
修理「甘いッ!我が剣は隙を見せぬ2段構え……今ならさらにお得な3段構え!」
※通販じゃないんだから……
ギョギュガンッ
抜刀術で斬りかかった勢いで回転し、もう一度斬撃を加える修理……本当に、天○龍閃のパクリである……
だが、ここからが真骨頂……そしてお得な3段構えということで鞘でも打撃を繰り出す。
萌「おおおおおお!!!四刃光臨(!」
光が走り、触れるものを殲滅(斬り刻む)!
ズバッシャアアッ
そして2人はすれ違い……
キンッ
バラバラバラバラッ
修理「!!!?」
修理の刀と鞘がバラバラに斬り刻まれる
修理「馬鹿ッ!!?」
ズバシュアアアッ
次いで、修理もバラバラに裂かれる
萌「……下らん……」
*「あのならず者を斃すとは……さすが孤高の剣鬼……」
と、そこへやってきたのは……修羅の門の管理者……紗魏雪兎(……
萌「……ここの管理くらいキチンとしておけ……」
紗魏雪兎(「これはまた……手厳しい……」
萌「……」
暫く沈黙し……
雪兎(「これはほんのお詫びの印です」
すっと取り出すは……黒地に橙の段だら羽織……
萌「……フン、いいだろう……貰っておこう……」
萌、閣氏(新撰組仕様の段だら羽織から雪兎(仕様の段だら羽織にチェンジ!!
萌「……俺は暫く旅に出る……今度こそ、その間……キッチリ管理しておけ……さもないと……殺すぞ……」
雪兎(「……どうぞ。いい旅を……」
萌「フン……」
……こうして……萌は修羅の門へ帰ってきたかと思いきや、再び旅立った……果たして……彼女の行く先には…
…何が待ち構えているのか!?……
※萌が何を求めているのか、それは誰にも分らない……
END
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