Eighter -Chaos Desorder-
56ther 〜氷と闇と邪悪な魂 C〜
#5
ルシャからの緊急入電・・八大帝国の脅威として長年封印されていた第九帝国、ディルンバデロに新たなる領主
が誕生した!……世界を滅ぼしかねないその帝国の領主は與鷹のかつての知人、伍佰(羅漢!……かくて、
彼の野望を打ち砕かんとかんなが立ち向かうも、紅闇刃(の力の前に炎の記憶は砕かれ……かんな、絶体絶命の
ピンチ!
伍佰(羅漢「フハハハ……ハァ〜〜〜ッハッハッハ!!どうだ!與鷹(!この絶対なる闇の力!!」
盛大に哂(いながら羅漢は嬉々として語る
梓與鷹(「か……かんな……」
たたっ
かんなを守るべく、咄嗟に駆けつける與鷹(
白拍子かんな「く……ダメです……リーダー……羅漢を……斃(さないと……世界が……」
與鷹(「し……しかし……炎の記憶は砕かれたんだぞ……」
いくら歳殺月天(の加護があるとはいえ……いくら神運を持っているとはいえ……今のかんなは素手……
徒手空拳ではあの邪悪な魔剣に対抗するには分が悪すぎる……
かんな「ですが……」
だが、かんなはまだ諦めていない……その、決意に満ちたかんなの相貌を見て、與鷹(も覚悟を決める
羅漢「フン、女とともに地獄へ行けぃ!」
グゴゴゴゴゴゴゴゴッ
羅漢の邪悪なオーラが高まる
與鷹(「ぐ……く……」
與鷹((なんて邪気だ……まるで……紅闇刃(の邪気が羅漢に流れ込んでいるような……かんなを守りつつ
……躱(せるか!?アレ……を!?)
すっ
かんなを抱えて攻撃準備……かんなの神運の庇護のもと、與鷹(の双狼拳(で羅漢の紅闇刃(と渡り合おうという魂胆
だが……果たしてそううまくいくものなのか!?
羅漢「はっ!」
ゴガアアッ
紅闇刃(を振り下ろす羅漢……邪悪に満ち溢れた剣閃が與鷹(を狙う
與鷹((なっ!?速っ……)
その、凍てつく闇に満ちた剣閃は……與鷹(の反応速度を軽く上回っていた……
與鷹((くっ……)
回避が出来ないのなら……俺がかんなの盾になる……と、かんなを庇い、剣閃に対して背中を向ける與鷹(
かんな「来る!」
與鷹(「え!?」
ドオンッ
羅漢「ぐお!?……な……何だ!?」
その時、光とともに何かが降臨……邪悪な剣閃を掻き消す
羅漢「くっ……何だってんだ!?一体……」
しゅおおおおっ
與鷹(「刀……?」
羅漢の放った邪悪な剣閃を防いだのは……1本の蒼き刃の刀……そして、その刀はどことなく紅闇刃(を彷彿
させるものだった……
與鷹((何だ?あの刀……紅闇刃(のカラーバリエーションか!?)
かんな「……」
與鷹(「あ、おい……かんな……」
かんなは與鷹(の腕の中らするりと抜け、刀の元へ行き、刀を抜く
すっ
かんな「……勝負はこれからですよ……」
ギィンッ……
歳殺月天(の紋様が一際輝きだす
#6
與鷹((紅闇刃(にカラーバリエーションがあるなんて聞いたことが無い……と、すると・・アレは……もしや
……)
與鷹(、その刀の正体を見抜く
羅漢「何を戯言を!消し飛べやあ!!!」
ドンッ
また邪悪な剣閃を飛ばす羅漢
かんな「……はっ!」
バヒュアッ
羅漢「な……に!?」
横薙ぎで剣閃を祓う
與鷹(「やはり……あの刀は……!!」
かんな「……そうです。紅闇刃(に対成す聖剣……その名も……」
羅漢「碧聖刃(だと!?」
羅漢が忌々しげにその刀の名前を叫ぶ
※Q:時に、碧聖刃(は一体どこからやってきたの!?
A:羅漢の邪悪な気配に導かれ、飛んできたのです。……うん、きっとかんなの神運もこの刀を呼び寄せるのに
役立ったのだと思います。
羅漢「ええい……」
ギリっと歯軋りをする羅漢
羅漢「フッ……これで勝負は互角ってか!?面白いぜ!!来い!!キサマの光と俺の闇……どちらが勝るか
勝負だ!」
かんな「いえ、勝負は互角ではありませんよ」
ふおっ
一気に羅漢の間合いを侵食する
羅漢「ぬ……お!?」
ガギンッ
すぐさま刀を組み合わせるが……
かんな「はっ!」
ゴガンッ
羅漢「な……にぃ!?」
弾き飛ばされる羅漢
ドダダンッ
羅漢「バ……馬鹿な……剣の威力は互角……ならば漢であるこの俺が……」
與鷹(「……いや、違うぜ羅漢……お前は1つ大事なことを忘れている」
羅漢「はぁ!?」
與鷹(「紅闇刃(は未完成だが、碧聖刃(は完成品だ……」
羅漢「!!!!」
かんな「そういうことです」
チャキッ
刀を突きつける
羅漢「なっ……」
かんな「そろそろ幕引きですね……」
羅漢「ふ……ざけるなぁ!!!!」
ドゴアアアアアアッ
かんな「くっ……」
ザザザッ
あまりの邪気にかんなも身を退く
羅漢「未完成だろが完成品だろうが関係ないわ!!勝つのは……ディルンバデロを継ぎし、この俺よぉお!」
かんな「……行きます……」
ゴッ
一足飛びにかかるかんな
羅漢「はあああああ!!!!」
ドゴギャッ
紅闇刃(を振り下ろす羅漢……そして、それを受けるかんなだが……
かんな「ぐ……ぐうう……」
ズズズズッ
與鷹(「なっ……かんなが……圧されている!?」
かんな(くっ……なんて信念なの!?)
……この戦いは……どうなる!?
続
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