Eighter -Blindness Wizard-
32nder 〜髭剃りと女子高生 C〜



#5
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「てめぇら、ケガしたくなければそこをどけ!」
 握りしめた拳を突き出して梶太郎(かぢだろう)が吠える
*「ハッ、貴様らこそ立ち去れ!」
*「我ら、大神の降真靈(こうしんりょう)……その過激派、ディバイン・オルタナティブズ!」
梶太郎(かぢだろう)「オオカミさんと辛くない香辛料だぁ!?」
※それは何か違うタイトル……與鷹(よたか)「大神の降真靈(こうしんりょう)ってのはだな……」
 とりあえず、何も知らないであろう梶太郎(かぢだろう)に説明でもしてあげようと思った與鷹(よたか)だが、すぐ遮られる。
梶太郎(かぢだろう)「ンなことはどうでもいいんだよ。俺は與鷹(よたか)、貴様を倒せないせいでストレスが溜まってるんだよ!」
與鷹(よたか)「うわぁ……」
 憂さ晴らしがしたいだけなんだ!と豪語する梶太郎(かぢだろう)與鷹(よたか)はドン引き。まぁ、自分からやりたいっていうんなら
本人の好きにさせるのもまた一興だろう……
梶太郎(かぢだろう)「おらっかかってこいやぁ!」
 ドコバカッドゴッ
 そのまま一人突っ走る梶太郎(かぢだろう)。仕方がないので手助けにでも入ろうかと思った與鷹(よたか)だったが、総介がそれを止め
る。
(かみ)総介「フッ、少しは奴の好きにさせておけ」
與鷹(よたか)「いや、好き放題にさせるのはどうかと俺は思うんだが……」
山咲(やまざき)桜「大丈夫です。警部を信じてください」
與鷹(よたか)「いや、総を信じてもあまり関係ないよね?」
 なんなんだ、この状況……
白拍子かんな(と、とりあえず、もう少し様子を見ましょう……)
 頭が痛くなってきた與鷹(よたか)を慰めてくれるのはかんなただ一人だった。

梶太郎(かぢだろう)「おらぁ!?なんだてめぇら、話になんねぇぞ!」
 DA相手に軽く無双状態となっている梶太郎(かぢだろう)。
 大体、俺を倒すなら與鷹(よたか)でも連れて来いってんだ!とかトンデモないことを言いだす始末。いや、後ろにいるか
らね
*「グッ……こいつ……強い……」
*「このままでは……」
*、*「ならば退け!てめぇらでは相手にならん!」
一同「はっ、夜灘(よるだん)様、端診(はしみて)様……」
 暫く梶太郎(かぢだろう)無双が続くと、流石にリーダー格が出張ってくる
梶太郎(かぢだろう)「おっ、お前らが相手なら少しは楽しめそうだな、おい!」
夜灘(よるだん)端診(はしみて)「大神の降真靈(こうしんりょう)の大願成就を阻むものには、仏の慈悲を与えん!」
 やっぱり、よくわからんポージングをとって宣言するヨルダン王国コンビがなのであった。
※DAを率いるリーダー格はこうしないといけないって決まりでもあんのか!?

#6
梶太郎(かぢだろう)「仏の慈悲だぁ!?そんなモン間に合ってるんでね……」
 ゴタクはいいからかかってこいや!とヨルダン王国コンビを挑発する梶太郎(かぢだろう)。
 さほど死に急ぎたければ……とヨルダン王国コンビは梶太郎(かぢだろう)に牙を剥く
夜灘(よるだん)煩濃猖鋒錐負拳(ぼんのうしょうふすいふけん)端診(はしみて)失納豺覇羽無拳(しつのうざいはうむけん)」
 ドゴドゴドゴッドゴゴゴゴゴゴゴッ
梶太郎(かぢだろう)「ぐほぅ!?」
 暴風雨のように荒れ狂う拳打と大地を噛み千切るかのような拳打が梶太郎(かぢだろう)を襲い、彼を吹き飛ばす。
與鷹(よたか)「ったく、油断するから……」
梶太郎(かぢだろう)「五月蠅ぇ!」
 流石に梶太郎(かぢだろう)一人でヨルダン王国コンビを相手するのは辛かろうと與鷹(よたか)も参戦を決める。
與鷹(よたか)「テノ、真書須らく翻れ(ウバゼッツァー)」
テノ「だるだるだる〜〜」
 與鷹(よたか)が叫び、テノがそれに能天気に答える。これが與鷹(よたか)の魔術師としてのフォームだ
梶太郎(かぢだろう)「うおっ、なんだそれ?!」
 突然の出来事に梶太郎(かぢだろう)はヨルダン王国コンビを相手するのも忘れて與鷹(よたか)を見る。まぁ当然かもしれないが、敵を
前によそ見するのはどうかと……
梶太郎(かぢだろう)「お前、この前は俺にその力使わなかったよな……貴様ッ」
 そして、総介の手駒として馬車馬の如く働く羽目になったあの死合を思い出し、梶太郎(かぢだろう)は更に與鷹(よたか)を問い詰める
與鷹(よたか)「いいから、お前は自分の相手に集中しろ!」
梶太郎(かぢだろう)「答えろ!與鷹(よたか)、てめぇ、その力隠してたってわけだな!」
與鷹(よたか)「あ〜〜もう、大体、俺があの時、この力を駆使してお前に勝っても、お前は納得しないだろ?」
梶太郎(かぢだろう)「ぐっ……た、確かに……」
夜灘(よるだん)「死合の最中に談笑とは」
端診(はしみて)「笑わせてくれる!」
梶太郎(かぢだろう)「五月蠅ぇ!俺にはたった今大事な用件が発生したんだ!だからてめぇらはとっとと死ね!」
 用件と言うのは他でもない、魔術師の力を開放した與鷹(よたか)との死合だ。
※いや、魔術師の力を開放しなかった與鷹(よたか)にも負けたんだから、魔術師の力を開放した與鷹(よたか)とは勝負にならないん
 じゃあ!?
夜灘(よるだん)端診(はしみて)「ならば、それはあの世でやれい!」
梶太郎(かぢだろう)「死ぬのはてめぇらの方だ!虎伏絶掌(こふくぜっしょう)!」
 ズオオオオオッ
 そういって梶太郎(かぢだろう)も気を練り上げてパワーアップを図る。

#7
 さて、與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)がヨルダン王国コンビを相手にしてからすぐ、総介、桜、かんなは先へ進んでいた。
 あそこは二人に任せておけば問題ないと判断してのことだ。
※ヨルダン王国コンビ倒したら與鷹(よたか)梶太郎(かぢだろう)で死合いそうですが……
鴻延(こうえん)「やれやれ……この場に近づくものあれば、仏の慈悲を与えておけと命じておいたと言うのに……」
総介「貴様の悪行もそこまでだ!」
鴻延(こうえん)「悪行!?……よりにもよって大神の降真靈(こうしんりょう)の大願成就を悪行だと!?貴様、許せん!」
総介「だったらどうするんだ?」
鴻延(こうえん)「知れたことを……私が直々に貴様に仏の慈悲を与えてやろう!」
総介「貴様にそれが出来ればいいがな……」
 そんなことを言いつつ総介は一方後ろへと退く。
 その結果、かんなが矢面に立つこととなる。
※いや、自分で啖呵切っておいて肝心なところはかんな任せとか酷すぎるんですけど……
かんな「貴方の相手は私です」
 すすっと静かに神滅超越者(ラグナロクエクセル)を突き付けてかんなが呟く。
鴻延(こうえん)「いいでしょう……ならば先にお前に仏の慈悲を与えてあげましょう!」
 かくて、かんなと鴻延(こうえん)の死合も静かに始まった。


END

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