Eighter -Bizarre Investigate-
53rder 〜其ハ鉄ナル災禍深(サイカシン) A〜



#0
 それはとある小学校で起きた事件。
 そして、これは世間を揺るがす大事件となったのだが、今はまだ、誰も知る由も無い……

#1
 神戸市、某所……神戸市立西雛鶴まきを小学校
 ある朝、一人の教員が学校にやってきたところ、職員室で死んでいる同僚を発見したところから始まった。
警官「鍼樹(はりき)警部……ホトケは浦賀梨郎。奄美大島出身出身の新米教師だそうです……」
鍼樹雑師(はりき・ぞうし)「死因は?」
警官「はい、外傷がないので毒物ではないかと……今、鑑識に調べてもらっているところになります」
 そこは司法解剖じゃないのだろうか?
警官「鍼樹(はりき)警部……ホトケの机の引き出しに遺書らしきものが……」
雑師(ぞうし)「何!?」
 A4サイズのコピー用紙に、ワープロの文字でただ一言『疲れた』と書かれたものがそこにあった
雑師(ぞうし)「自殺か……」
*「そんな……とても自殺するような人には思えなかったのに……」
警官「いやいや、今の世の中、ついカっとなって自殺する人も多いと聞きますし……」
※それは自殺じゃなくて他殺する方じゃねぇか?
警官「何か彼が自殺するような心当たりはありませんかね?」
*「心当たりか……もしかすると彼は受け持った生徒の親からの理不尽なクレームに耐えきれず自ら命を断ったの
かもしれませんな……」
 ぽつりと呟くのは校長の峰岸清三であった
警官「なるほど、新米教師だって言ってましたもんね」
警官「いざ教師として生徒を受け持ってみたものの、こんなはずじゃなかったと……そしてつい魔がさして死んで
しまったということは十分考えられますね」
※いや、その場合自分じゃなくて他人を殺すんじゃ?

 ともかく、神戸県警の連中は(勝手に)自殺として捜査を進めることとなった。
 神戸県警
警官「彼を特に可愛がっていた四人の先輩教師も突然の死に驚きを隠せない様子でした……」
雑師(ぞうし)「フム……」
 と、その時、勢いよくドアを開けて一人の警官が飛び込んでくる
警官「鍼樹(はりき)警部、大変です!」
雑師(ぞうし)「どうした?」
警官「そ、それが……ホトケの同期に事情聴取をしてみたところ、黒い噂が……」
雑師(ぞうし)「なんだと!?それはどういう?」
警官「はい。なんでもホトケは生徒に性行為を行っていた……と」
雑師(ぞうし)「小学生相手に!?」
一同「え!?……あ、はい……そう……ですね……」

#2
 そう、無能警官は忘れがちだったが、事件は会議室で起きたのではない、小学校で起きたのだ
※いや、どこにも会議室なんて単語出てこなかったよ……
警官「ですが、最近は小学生のくせにけしからんおっぱいをした女子生徒もいるそうですし、教師がついムラムラ
することはなんら怪訝しくはないかと……」
 いや、その考えが既に怪訝しいよ……お前はマンガやアニメの見過ぎじゃないのか?
警官「これは、ひょっとすると……」
警官「ええ。女子生徒に手を出していたロリコン教師がその親に裁判沙汰に持ち込まれそうになって慙愧の念に耐
えられなくなって自殺……」
警官「モンスターペアレントには勝てなかったわけですな……」
雑師(ぞうし)「全く、嘆かわしい事件もあったもんだな……」
(かみ)総介「本当に、嘆かわしいことこの上ないな……」
一同「かっかか、かかかっかっかっかっかっ……かかっかかかかっ、かっかっかかかかか……」
 その時、突如総介が出現、一同は騒然となった。
雑師(ぞうし)「上警部……どうしてこのような僻地に?」
 いや、そこまで遜る必要はないだろ……
総介「貴様らに任せていてはこの事件(ヤマ)は解決しない!よってこの事件は俺が仕切る」
一同「そ、そんな無茶苦茶な……」
山咲(やまざき)桜「では、どうして、自殺と勝手に決めつけて捜査を進めているんですか?」
雑師(ぞうし)「なっ、まさか、自殺ではないというのですか?」
警官「遺書だってあったんですよ?」
桜「ですが、ホトケの直筆ではなく、印刷したものでしたよね?」
 そうであれば誰にだって作れる。と論破されて言葉に詰まる無能警官一行。
総介「四人の先輩教師に可愛がられていた……と言ったな……」
警官「はっ……ま、まさか、(かみ)警部は『可愛がる』をイジメの暗喩だと!?」
総介「ホトケの死因は?」
 しかし、無能警官の問いかけは無視して話を進める総介。
桜「はい。ホトケの体内からは大量のサイカシンが検出され、それが死因だと……」
警官「サイカシン……って何ですか?」
総介「ソテツに含まれる有毒物質だ……」
一同「ソテツ?!」
総介「……ホトケは奄美大島出身か……」
桜「奄美大島にはソテツ味噌なるものがあるみたいですね……」
 ソテツ味噌とは一体!?……それが事件を解決に導く鍵なのか!?


続

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