Eighter -Bizarre Investigate-
28ther 〜二十年目の真実!〜



#0
 今から20年以上前……群馬県の御巣鷹山でジャンボ機墜落の事故がおきた……乗客524人中500人が死亡するとい
う未曽有の大惨事であった。
 ……今回はその後日談……いやいや、真実を綴った事件簿である。

#1
 群馬県、群馬県警
警官「そうか……あれからもう20年以上も経つのか……」
 新聞を読みながらしみじみと語る警官。
警官「何がです!?警部が大学を卒業してからですか!?」
警官「そうそう……って違うわッ!」
 そもそも、俺、20年以上前は生まれてもいなかったし!と叫ぶ警官。
警官「ニイタカヤマノボレ事件ですよ」
警官「そうそうそう……って違うわッ!」
 それを言うなら『オスタカヤマオチレ』だわ!と突っ込みを入れる警官であった。
 あ〜、さておき、群馬県警の連中がしみじみと語っているのは冒頭でも紹介された大惨事、御巣鷹山でジャンボ
機墜落事件の事である。
 そう……お前はまだ群馬(で起きたこの事件に隠された真相)を知らないッ!
※をい……
(かみ)総介「ほぉう、随分と楽しそうな会話をしているようだな」
一同「ヒィイッ!かかかっかっかかっ……(かみ)警部ッ?!」
 そこへ颯爽と総介推参(桜もいます)
 群馬県警があまりにも巫山戯(ふざけ)た話をしてるのでつい口を挟んでしまったのだ。
山咲(やまざき)桜「警部、とっとと用事を済ませて行きましょう」
総介「あぁ、そうだな……」
警官「よ、用事ってなんですか?」
総介「御巣鷹山のジャンボ機墜落事件の調書だ!……とっととよこせ!」
一同「いぇっさ〜!」
 総介の怒号にズビシっと敬礼した群馬県警の一行は直ちに20年以上前の御巣鷹山のジャンボ機墜落事件の調書を
もってきて総介に渡すのであった。

尾住砲遣(おずま・ほうけん)「……庵刷(いおずり)ケン……やはり、当時死亡した乗客リストに名前が載っていますな」
 いつの間にやら教授も群馬県警に現れ、調書に眼を通しながら呟いていた
警官「いおずり、けん!?」
 ってかお前ら、総介が突然出現した際にはびっくり仰天していたのに、教授が突然出現した際には驚きもしない
のかよ……
桜「庵刷(いおずり)ケン、当時8歳……あのジャンボ機に乗り、墜落し、死亡した子供です」
 桜は語る……
警官「(かみ)警部、それがどうかしたんですか?……まさか事件現場にその子供の亡霊が出るから何とかしてくれって
言われたりしたんですか!?」
総介「……いや、正確には『彼の実家に出た』だ……」
一同「……はい!?」
警官「過去形!!?」
 もう、既に出たの!?と驚きを隠せない警官であった。

#2
総介「……先日、庵刷(いおずり)家の家族全員がが何者かに殺された……」
警官「うわっ……いきなり凄い物騒な話……」
 唐突に語りだす総介の言葉を聞いて思わず声を上げる警官
警官「まさか……犯人はそのケンとやらが……?」
警官「自分が死んだのに家族がのうのうと生きているのは許せないってな感じで呪い殺したんですかね?」
 いや、そんなバカげた話がありますか?
桜「……事件現場からは無数に庵刷(いおずり)ケン氏の指紋が発見されました……いえ、これは別にさほど不思議なことでは
ありません。何しろ、彼の実家ですからね……」
警官「まぁそうだわな……」
 しかし、総介は続ける……
総介「……だが、問題なのはその指紋が残っていた部分が彼の死後、家族が買った家具や彼の死後、改修した部分
についていた……と、いうことだ……」
警官「ひぇええ……やっぱり幽霊はいるんだ!」
 無能警官の叫びは無視して総介は話を続ける。
砲遣(ほうけん)「亡霊……か……」
桜「当時の調べによりますと墜落事故現場からは庵刷(いおずり)ケン氏が着ていたシャツの切れ端に彼のものと思われる大量
の血が付着されていたことから、事故で死亡した……とされました」
砲遣(ほうけん)「だが、奴は生きていたってワケだ」
総介「そして、庵刷(いおずり)家は暗殺拳の家系だということが判明した……」
砲遣(ほうけん)「流派名は……東斗陽拳……手刀により、相手に触れずに敵を斬り裂くことを極意とした暗殺拳だそうだ」
警官「うおおおおっ!東西南北揃ったよ、すげぇ!!」
 突如嬉々として叫ぶ警官が一人。
警官「はっ……確かに……」
 そんな彼の発言に、他の警官も次々と驚きの顔を見せる
警官「マテよ……北斗の源流が西斗だって言うんなら、東斗ってのはもしや南斗の源流なのでは?」
一同「ありうる!」
 馬鹿は放っておいて、話を続けよう……
桜「ですが、今更……一家を皆殺しにする理由が分かりませんが……」
砲遣(ほうけん)「……どうやら、つい最近、この一家は請け負った暗殺を盛大に失敗したらしいんだわ」
総介「なるほどな……話は見えたな……」
 え!?どういうこと?と無能警官一行はまるで話が見えていないが、無能警官に説明するほど総介は暇でも優し
くもない。
桜「暗殺に失敗した者には死を……」
 そう、つまり、これは粛清だ!
 手を下したのは無論、庵刷(いおずり)ケンである。
砲遣(ほうけん)「20年前の事件……これにも何かありそうだねぇ……」
総介「あぁ……おそらくはその時が、彼の暗殺者としての幕開けだったんだろう……」
 東斗陽拳……なんて業が深いんだ……
 ともかく、当時は若干8歳だった庵刷(いおずり)ケンは、今もなお暗殺拳の使い手として裏の世界で名を馳せているのは間
違いない。


END

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