Eighter -Bizarre Investigate-
13ther 〜飛び降り殺人事件〜
#0
これは、世にも奇妙な殺人事件の顛末を綴った事件簿である。
事件の名は……
※いや、『事件』を『きみ』って読むのやめい!
#1
東京都、某所
*「飛び降りてみろ!」
とある場所で1人の漢がそう叫ぶ……その視線の先……アパートの5Fほどのベランダには……また別の漢が立っ
ていた……
*「どぉした!?飛び降りてみろってんだ!ボケ!」
ヒュッ
一同「なっ!?」
グシャアアッ
*「きゃ〜〜〜〜!!飛び降りよぉ!!!」
ベランダにいる漢を見上げていた漢は、まさか本当に飛び降りるとは思わず……そして、付近の人間の通報によ
り、警察が動く
警官「飛び降り自殺か……こいつはヒデェな……」
駆けつけた警部、刀持警部も思わず顔を顰める
警官「刀持警部……どうやら、ただの飛び降りではないようです」
刀持隕山(「何!?どういうことだ!?」
警官「飛び降りろ!と叫んでいた漢がいたようです。そして……事件後、現場から立ち去る漢を見た……との情報
もあります」
隕山(「なるほど……それで本当に飛び降りるとは思わず……そして、怖くなって逃げ出した……と言うわけか」
警官「刀持警部……」
隕山(「ああ、分かってる!」
と、言うわけで早速、飛び降りを示唆していた漢の捜索を行うことになったのだが……
数日後……
東京都、警視庁
警官「見つかりませんね……」
隕山(「……おかしいな……」
*「当然だ……飛び降りを唆した奴は既に死んでいるからな……」
一同「!!!!」
そこに、唐突に総介登場……一同は面白いくらいにビビりまくる
隕山(「かっかっかっかっかっかかっ上(警部!?」
警官「上(警部……飛び降りをさせた漢は既に死んでいるって……どういう?!」
隕山(「そうか!慙愧(の念に捉われて……」
上(総介「バカヤロウ……」
山咲(桜「遺体はきちんと見ましたか?」
隕山(「……ああ、見た!しっかりとな……」
警官「……で、それが何か!?」
はぁ……とため息をつく総介……そして、そのまま続ける
総介「……死亡していたその漢こそ、飛び降りを唆していた漢だ!」
一同「んなっ!?馬鹿なぁ!!」
急な展開……しかも、考えていなかった事態に一同は困惑……どういうことですか!?とそのまま総介に質問攻
めを……
#2
警官「上(警部……つまり、今回の事件は……自作自演だった……と!?」
総介「バカヤロウ……事件後、現場から逃げ去った漢がいるんだろ!?」
隕山(「あ、そういえば……」
警官「それに、確かに、アパートの5F位から飛び降りる人を目撃したってな情報もあったはずです……」
隕山(「……うん!?じゃ、どういうことだ!」
桜「……だから、遺体をきちんと見たのですか……と言ったのです」
飛び降り、地面に激突して死亡したはずなのに……そんな形跡はなく、遺体の腹部には何かが貫通した痕だけが
残っている……これが致命傷となり死亡したのだが……何かを貫通させるような物は事件現場のどこを
探しても見つかっていない……
隕山(「あ、そうですよね……人を貫いたものを持ち帰る物好きなんていませんよね……」
で、結局どういうことですか!?と一同
総介「……お前ら、本当に分からないのか……被害者……入原大悟とかいうらしいが……そいつを貫通し、死に追
いやったのは人間だ……」
桜「それも、アパートの5Fから大悟目がけて飛び降りた……」
総介「つまり、これは飛び降りと言う名の殺人だ!」
一同「んなっ!?馬鹿なあぁあああ!!?」
予想だにしなかった結末に、一同は驚愕……その叫び声は警視庁を震撼させる
※Q:そもそも、5Fから飛び降りた漢が……無事ですむのか!?
A:大悟をクッション代わりに衝撃を吸収した……ってなことでここはひとつ(何が『ここはひとつ』だ!)
警官「し、しかし、上(警部……」
総介「遺体から、近くの水場まで、血痕が河のように残っていたそうではないか……」
隕山(「……そうか!水場で帰り血を洗い流し……その場を立ち去って行った……」
桜「そうです。事件後、逃げ出したのは、飛び降りを唆した漢ではなく、飛び降り殺人を行った漢……」
警官「クッ……」
総介「……飛び降りた漢は……体だけは丈夫だったようだな……」
総介がそう呟いたころ、刀持警部以下は真犯人の逮捕に早速出向いて行った……
総介「……やれやれ……騒がしい奴だな……」
総介はそう呟き、振り向いて桜を見る
総介「行くぞ、山咲(」
桜「はい。警部」
その後……
東京都、某所
隕山(「座鳴冠人(!貴様を飛び降り殺人の容疑で逮捕する!」
座鳴冠人(「……」
警官「しっかりと目撃されていたんだぞ!大人しく……投降しろ!!」
ツカツカツカツカ
すっ
刀持警部の元へ歩み、両手を差し出す冠人(
隕山(「ほぉ、殊勝だな……」
……アッサリと冠人(は観念し、逮捕され、事件は解決したのだった
※ちなみに、大悟と冠人(の間には一体何があったのかは結局わからず終いである
END
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