Eighter -Bizarre Investigate-
2nder 〜模倣犯は闇に鳴く B〜
#3
連続殺人事件の現場に残されたのは『師』と『帥』の文字が描かれた布切れ。
これは一体何を意味するのか!?
一方、その頃警視庁では……
東京都、警視庁
佐藤鹹美「……調べた結果だけどね……一人目のガイ者のところには『師』、二人目のガイ者には『帥』……そし
て、再び三人目には『師』になっていることが分かったの」
警官「つまり、これは模倣犯による犯行である可能性が高いということですね、鹹美(様……」
鹹美(「まぁ、そうなるのだけど……そなると疑問が一つでてくるわ……」
一同「それは!?」
鹹美(「現場に『師』の文字が残されていたなんて情報を公開したことはないのよ」
一同「……」
その言葉に一行は押し黙る。
と、その時、一人の警官が閃く。
警官「そうか!!つまり、模倣犯は警察内部にいると!そういうことですね!鹹美(様!!」
と、一人の警官が叫びだす
一同「いや、それは早合点しすぎだ!」
鹹美(「それから……一人目と三人目のガイ者は、12月生まれという共通点が見つかったの……」
警官「鹹美(様……もしや、『師』というのは……」
鹹美(「うん、『師走』の意味かも知れない……そうなると、他の月のガイ者も現れるかもしれないわ……」
警官「待ってください……じゃあ……」
鹹美(「そうね……少なくとも一人目と三人目に関しては顔見知りの犯行である可能性が高いわ」
なぜなら、誕生日を知っている赤の他人などいないからだ……
そりゃあ……赤の他人でも芸能人の誕生日は知っているかもしれないけど、殺された人物はいずれも一般人であ
るので問題ない。
警官「鹹美(様……自分、ちょろっと調べてみて分かったんですが、一人目と三人目のガイ者は同じ小学校出身なん
です」
鹹美(「ほう?」
警官「あ、てめぇ、抜け駆けは許さんぞ!」
ダッ
と、一人の警官が報告を行っていた警官の警察手帳を奪い取る
警官「で……何々……つい、先日、その小学校の同窓会があり、とある人物と派手にモメたという事件があった…
…と……おお!?マジか!?俺、ニュース見ないんで知らなかった……」
一同「ちょっと待て……そこのお前……」
※警官ともあろうものが……大丈夫なのか!?こいつ……
ドゲシッ
警官「ぐはっ!?」
更に別の警官が手帳を持っていた警官を殴り倒し、手帳を奪い取る
警官「その、ある人物とは……なるほど!確かに、現場で、コイツと似た漢が去っていくという目撃証言を得まし
た……鹹美(様……この漢が最重要人物かと思われます!!」
鹹美(「うん、そうねぇ……任意同行とかお願いしようかしら!?」
一同「では、是非、俺が!!」
※そういえば、華麗にスルーして何事も無かったかの如く会議を進める鹹美(も鹹美(でオカしいよね……
#4
鹹美(様にいい所を見せて高感度を上げようと必死になっているダメ警官のおかげで事件の片方はケリがつきそう
になっている中……総介と桜は……
東京都、某所
山咲(桜「一人目と二人目は職業と性別、現場に残された布切れなど、若干の違いはありますが、完全に模倣されて
いるように見えます……」
上(総介「なるほどな……」
桜「ですが、警察は現場に残された文字の情報を公開していないことですし……」
総介「いや、これは模倣犯の犯行だ!」
桜「警部?!」
なぜそこまで断言できるのか?
総介「フッ……東京都に伝説の模倣犯がいるって話を聞いたことがないか?」
桜「伝説の模倣犯ですか……そういえば、聞いたことがありますね……彼にできない模倣犯罪は売春のみである…
…とまで言わしめた天才的模倣犯が……名前は……」
総介「魔寝猫駈螺(!」
※まぁ、そりゃあ、彼、漢だから、売春だけは模倣できないわな……
桜「ですが、警部、彼はひと月前に投獄されたはずなのでは?」
総介「……」
*「たった今入りました情報によりますと、数日前、伝説の模倣犯こと、魔寝猫駈螺(が……プリズンブレイクを模
倣して脱獄していたということが判明しました」
総介が何かを呟こうとした矢先、突如近くの家電量販店に展示されていたTVからトンでもないニュースが報道さ
れる。
桜「警部……」
総介「ああ、事件が模倣された日付から察すると……」
奴が巻き起こした模倣殺人である、と断定してもよさそうだ。
ならば、後は奴をトッ捕まえるのみ!
ちなみに、模倣された方の犯人についてはダメ警官たちは鹹美(様の高感度を上げるべく、我先にと確保しに行っ
たことで収束へと向かいつつあった。
かに思えたが、実はそこには大きな落とし穴があった。
そう、俺が奴を逮捕していいところを見せるんだ!という馬鹿どものでしゃばりあいで、犯人を取り逃がすとい
う大失態。
そんな馬鹿なことをやっている間に総介がシレっとそっちの方の犯人をトッ捕まえることに成功するのであった
一同「あぁああ!!」
後悔先に立たず……ただ、それだけが馬鹿どもの頭をよぎるのであった。
警官「いや、まだ諦めるのは速い!さる筋からの情報によるとだな……」
警官「何ぃ!?」
そっちを逮捕できればいいところを見せることが出来る!と、馬鹿どもは懲りずに出撃するのだが……結果は最
早言うまでもない。
やはり、総介が魔寝猫駈螺(を逮捕することに成功するのであった。
なお、余談であるが、プリズンブレイクを模倣して脱獄したってことをすっかり忘れていたバカな警官のせいで
再び魔寝猫駈螺(は世に解き放たれることになるのだが、それはまた別の話である。
END
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